今回は、もし台風などによる洪水やゲリラ豪雨で、所有している愛車が水没してしまった場合、どう対処するのが最も良いのか?と言う事について考えていきましょう。
普段の生活の中であれば、「自動車が水没するなんて考えられない!」と考えている方は少なくないかもしれません。しかし、今年7月に発生した『平成30年7月豪雨』では、住宅などへの被害だけでなく、およそ70,000台の車両が水害を受けたと言われています。さらに今年は、季節外れの台風が続々と上陸しており、つい先日も台風20号によって、近畿・四国地方に甚大な被害が発生したのは記憶に新しいのではないでしょうか?
そもそも、日本国内に上陸する台風は、夏の終わりである9月ごろから頻発すると言うイメージの物であり、今後も油断できない状況が続くのです。このように、自動車に関する『水没』等の水害は、本来だれもが想定しておかなければいけない物だと言えるのです。
それでは、実際に自分の愛車が、台風などによって水害を受けてしまった場合にはどうすればいいのか気になりますよね。そこで今回は、万が一、愛車が水没などの水害に合った場合の対処法をご紹介していきたいと思います。
水没車の修理はリスクが高い?
そもそも自動車という物は、大雨の中でも普通に走行できるものですし、水没してしまった場合でも、きちんと修理すれば問題ないと考えている人も多いかもしれませんね。しかし、何らかの理由で水没してしまった自動車を、修理してそのまま使用する事には非常に大きなリスクを伴うと覚えておいた方が良いでしょう。
修理費用が高額になる
まず第一に、水没してしまった自動車の修理は、非常に高額で驚くほどのお金が掛かると覚悟しておきましょう。もちろん、自動車の種類や被害状況などでケースバイケースとはなりますが、一般的な修理費用の目安をご紹介します。
- マフラーまで浸水してしまった場合・・・50万円~
- 軽度な浸水の場合・・・故障箇所に寄りますが5万円~
自動車が水没してしまうと、様々な電子機器に破損や不具合が発生します。したがって、故障箇所から火災や発煙の危険性がある為、電気系統のさまざまな部品を交換する必要があるのです。これは、トランスミッションなどのAT整備はもちろん、メインコンピューターの点検、カーナビやオーディオの撤去、車内のクリーニングなど多岐にわたります。その為、修理費用も部品代もかさみ、莫大なお金が必要になるのです。
このような修理には、加入している保険を利用したいと思う物ですが、保険利用にも条件やリスクが存在しています。水没車の修理への保険利用は、以前別記事にてご紹介していますので、そちらをご覧ください。
修理したとしても自動車の価値が激減…
愛車が水没したとしても乗り続けたいと言うのであれば、上述のように多額の費用をかけて修理するしかありません。しかし、覚えておいた方が良いのは、『水没車は綺麗に修理したとしてもリスクが残る』と言う事です。水没車の修理に関するリスクの一例を以下でご紹介しておきましょう。
- 目に見えない故障で「いつ故障するか分からない」自動車になる
洪水などの場合、自動車に侵入する水は海水や汚物が混ざった水になります。その為、いくら綺麗に修理したように見えても、目に見えない金属の腐食や塩害による劣化など、後々故障やトラブルが発生する可能性が非常に高いのです。 - 車内にシミや臭いが残る
いくら綺麗にクリーニングしたとしても、侵入する水は汚れた水ですので、どうしても臭いが残ってしまう場合が多いです。また、シートベルトなど、細かなシミも残ってしまう場合が多いです。 - 冠水歴がついてしまう
事故などで、自動車の骨格やフレーム部分を修理した場合『修復歴車』となります。これと同様に、一度水没してしまった自動車には『冠水歴』がついてしまうのです。『冠水歴』がついてしまった自動車は、修復歴車以上に敬遠される傾向にあります。 - 自動車の価値が激減してしまう
「いつ故障するかわからない」「車内に異臭がある」等といった自動車を購入したいと考える人は少ないですよね。その為、このような自動車は、中古車市場に出したとしても基本的に買い手がつかない為、自動車の価値は激減してしまいます。
水没車は諦めて処分しましょう
ここまで読んで頂ければ、一度水没してしまった自動車を修理して使用し続けるには、かなりのリスクが伴うとわかっていただけたのではないでしょうか?
水没車は、たとえ綺麗に修理したとしても、目に見えない金属の劣化や配線の不具合が出ている可能性がある為、突然故障して動かなくなってしまう事もあるのです。それが、数十万円単位の費用をかけて修理した後に起こったとなれば、目も当てられませんよね…。
したがって、筆者の個人的な意見となりますが、『水没してしまった自動車は諦めて処分した方がいいのでは』と考えています。もちろん、新しい自動車を手に入れるのに多額な費用が必要になりますが、これは修理するにしても同様です。そうであれば、万全な状態の自動車に乗っていた方が、自分や家族も安心できると思います。
ディーラーや中古車販売店で処分?
自動車が水没してしまい、処分が必要になった際、真っ先に思い浮かぶのはディーラーや中古車販売店などに売却する事でしょう。しかし、この場合には注意が必要です。
そもそも、ディーラーや中古車販売店が自動車を引き取る理由は、引きとった自動車を綺麗にして『再販』することです。したがって、「いつ故障するかわからない」「車内に異臭がある」といった『冠水歴』がついている自動車に関しては、ほぼ間違いなく買取りを拒否されてしまう事でしょう。ディーラー等は、『買い手がつかない…』と判断するような自動車を、お金を出してまで買取りするわけにはいかないのです。
その為、ディーラー等を通して水没車の処分を行う場合には、廃車手続きに関する手数料が必要になると覚悟しておいた方がいいでしょう。もちろん、依頼するディーラー等が昔から付き合いがある、代わりの自動車を購入する等といった場合には、無料で廃車手続きを行ってくれる場合もありますが、基本的に数万円~十数万円必要になると想定しておいた方がいいかもですね。
最もお得なのは、廃車買取業者に依頼する!
それでは最後に、最もお得に水没車を処分する方法をご紹介しましょう。
それは、水没車の廃車を『廃車買取業者』に依頼すると言う方法です。廃車買取業者という言葉は、まだまだ聞いた事が無いと言う人も多いかもしれませんが、要は廃車に関するプロです。廃車買取業者は、ディーラー等であれば高額な手数料を請求される廃車手続きを全て無料で行ってくれる上に、事故車や水没車の様なボロボロな自動車でも買い取ってくれる、とても心強い業者なのです。
俄かには信じられないお話ですが、これにはきちんと理由があるのです。廃車買取業者は、ディーラー等と違い、自動車を『リサイクル資源』として買い取るので、事故車であるとか水没車であるとかはあまり関係がないのです。皆さんはあまりイメージできないかもしれませんが、実は自動車の車両に使用されている鉄やアルミといった物は、資源としてかなり高額な金額で売却できるのです。さらに、自動車に使用されている様々なパーツは、綺麗にすればまだまだ使用できるものも多く、こういったパーツもリサイクルできるため、本来無価値と言われる事故車や水没車を買い取ったとしても、廃車買取業者は利益が出せるわけなのです。
自動車が水没してしまった場合、廃車買取業者に連絡すれば、本来お金を払って処分しなければならない自動車でお金が貰えるかもしれないのです。どう考えても廃車買取業者がお得ですね!
まとめ
今回は、台風での洪水やゲリラ豪雨などで、愛車が水没してしまった場合、どのような対処をすればいいのかについてご紹介してきました。
本稿でもご紹介したように、愛車が水没してしまった場合には、修理して乗り続けるか?中古車として売却するか?廃車にするか?等といった選択肢が思い浮かぶことでしょうが、基本的には廃車にするしかないと思われます。
これは、「修理するにしても高額な費用がかかり、その後のリスクも大きい…」事もありますし、そもそも水没してしまった自動車であれば中古車として売却する事が難しいためです。したがって、水没車の処分は、廃車買取業者に依頼することが最もお得と言えるでしょう。廃車買取業者であれば、廃車に関する手続きは全て無料で行ってくれますし、水没してしまった自動車であっても買い取ってくれる可能性があるのです。
万が一、愛車が水没してしまった…と言う状況になったら、まずは廃車買取業者に連絡してみましょう!