廃車方法も国によってさまざま

あなたは、自分の車を廃車にした経験はありますか。

日本では、廃車に関する細かいルールがあって、いろいろと面倒な思いをした人も多いことでしょう。もしこれが外国だとどうなるのでしょうか。経験者によると、日本との違いにずいぶん戸惑うようです。

そこで今回は、国によって異なる様々な廃車事情を見てみましょう。

アメリカの廃車事情

保有台数の割に廃車は少ない

広大な国土を持つアメリカでは、車は生活必需品といえましょう。車両税やガソリン税など車の維持費が日本よりはるかに安いので、所得の低い人でも車を持っています。そのためか、日本の基準ではとっくに廃車になるような旧式の車や、整備不良の車が走っていたりもします。

車の平均使用年数も日本は10年ほどですが、アメリカでは15~20年とはるかに長いようです。世界最大の自動車保有国でありながら、意外と廃車数が少ないのも、アメリカのこうした事情があるのでしょう。

ちなみにアメリカにも、日本の車検に似たものがあります。国ではなく州単位で行なわれ、日本の車検のように短い周期で高額の費用がかかる州はありません。

アメリカでの廃車で便利なもの

アメリカでの廃車は、州ごとにその手続きや処分方法が異なります。各地に自動車買取業者があるので、面倒な廃車手続きも含めて依頼するのが一般的です。買取価格は車種や車の状態で異なりますが、カリフォルニア州では、500ドルから1000ドルが相場のようです。ただし、自動車が全く動かず、運ぶ方法がない場合には断られることもあるそうです。

断られた時に便利なのが、慈善団体へのドネーション(寄付)です。

アメリカでは、全く動かなくなった車でも寄付として受け取ってくれる慈善団体が各地にあります。驚いたことに、引き取りに来てくれるのです。

寄付なので原則無料ですが、その際は受領書を忘れずにもらってください。寄付は税の控除対象となるので、条件によっては日本でいう還付金が見込めます。

EUの廃車事情

ELV指令による厳しいルール

EUは環境問題に対する意識が非常に高く、廃車に関する社会システムも整っています。日本の自動車リサイクル法に先行して、2000年にEU全体で「ELV指令(End-of Life Vehicles Directive、廃自動車指令)」を制定しています。

ELV指令とは、環境保全を目的に、使用済み自動車の廃棄に関して定められたルールです。自動車本体やその部品の再利用、廃棄される材料の適正な処理や有効利用を促しています。また、自動車メーカーに廃車の処理費用を負担させたり、厳しい基準をクリアした公認の処理業者以外による廃車処理を罰したりしています。

廃車は公認の業者に

EU諸国はこのELV指令をベースにして、さらに独自の国内法や政令を設けています。

ドイツでは、廃車にする場合は必ず公認の廃車処理業者に依頼しなければなりません。廃車費用は、自動車購入の代金といっしょに支払い済みですので、廃車時には不要です。

スウェーデンでは、自動車登録時にユーザーが700クローネを支払います。廃車時にはそこから500クローネが払い戻されます。

アジア諸国の廃車事情

中国の廃車事情

中国は深刻な大気汚染問題を抱えているので、整備不良車をできるだけ減らす政策をとっています。他国にないほど厳しい車検も、そのひとつです。さらに、廃車に奨励金を出したことも何度かありました。廃車に必要な費用より奨励金の方が高値になったこともあります。その時には廃車ブームが起きて、買取業者が対応できないほどでした。

しかし、廃車に関する法体系や社会システムは整っていません。廃車奨励金のような政策も場当たり的と言えましょう。ユーザーの立場としては、廃車にすべきかどうか、お得な廃車方法はなにか、その時の政策をよく調べてから判断してはいかがでしょうか。

他のアジア諸国の廃車事情

韓国は、アジアでもっとも廃車に関する法が整っている国です。EUのELV指令を基にした自動車リサイクル法があり、廃車時の費用は自動車メーカーが肩代わりします。もし車の買取価格が廃車費用よりも高ければ、その差額分も還ってきます。

東南アジア諸国では、自動車の再使用・再利用の取り組みが十分ではありせん。ベトナムのように廃車に関する法律ができた国もありますが、廃車を高額で買取ってもらうのはまだまだ難しいようです。

まとめ

アメリカやEUは、廃車を回収処理するシステムができていて、廃車時に発生する費用はありません。国や州によっては、お金が一部戻ってくることもあります。

アジアでは、韓国を除いてまだ自動車のリサイクルシステムや、廃車に関する法律などが整備されていないのが現状です。そのため、廃車時に予想外の負担が生じる可能性もあるので注意しましょう。