自動車保険には様々な種類があります。今回は自動車保険の解説と、主に「リスク細分型自動車保険」について解説を行います。
自動車保険について
リスク細分型自動車保険の解説の前に、まずは基本的な自動車保険について解説していきましょう。
強制保険(自賠責保険)
自動車保険には、強制保険と任意保険の2種類があります。強制保険は自賠責保険とも言い、車を購入する上で絶対に加入する必要のある(強制的に加入させられている)保険です。自賠責保険を簡単に言えば「最低限事故被害者への慰謝料を支払えるようにするための保険」です。自動車保険は保険対象がそれぞれ分かれており、自賠責保険は被害者本人の身体的被害に対してのみ補償が行われます。
任意保険
車の購入後、運転手自身の任意で数ある保険会社の中から必要な内容の保険を選ぶのが、任意保険です。任意保険というのは、7種類ほどの補償内容からいくつかをまとめて商品化されています。「特約」という制度で7種類全部の補償を受けられるようにすることもできれば、逆に補償内容を減らして保険料を少なくするといった方法もとれます。
自動車保険は加入すべきなのか?
保険とは、万が一事故を起こした際にかかる費用を減らすための予防策として加入しておくものであり、中には「事故を起こさないから保険に入らなくても良い」なんて事を考えている人もいるかも知れません。しかし、車を運転する以上事故の可能性は常に付き纏います。例え運転手が完璧に安全運転をしていたとしても、条件と相手の行動によって事故が発生する可能性も存在しています。これは、保険に入るべき根拠の一つになります。
事故を起こさない自信がある方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、無事故のまま保険に加入し続けると保険料が減る「等級制度」という仕組みの恩恵が受けられます。等級は上がるほど保険料が安くなり、下がると保険料が増えます。事故を起こさなければ等級は上がり、事故を起こして補償を受けた場合等級は下がります。保険は、万が一の事故対策として運転手側が行える対策の1つです。なので、事故を起こさないから加入する必要がないと過信せず、事故を起こさないことで保険料が下がったことを有意義に感じましょう。
リスク細分型自動車保険とは?
続いて、リスク細分型自動車保険について解説していきます。リスク細分型自動車保険とは、任意保険における「仕組み」の1つです。そのため任意保険の一種とも言えます。リスク細分型自動車保険の「リスク細分型」というのは、個人に合わせたリスクを想定して保険料を決定するという意味で、要するに「個人に合わせた保険」がリスク細分型自動車保険であると捉えてください。
リスク細分型自動車保険の保険料決定例
一例として、保険加入予定者が「若く、運転経験があまりなく、また交通量の多い地域」という人の場合、リスク細分型自動車保険ではどのように保険料を決定するか解説してみましょう。若い人ならば特にそうですが、運転経験が浅い方は比較的荒い運転、無茶な運転をしやすく、その分保険料が高く設定されます。運転経験があまりないというのは、ようは運転に慣れていないことを意味し、事故を起こしやすいと判断されるため、こちらも保険料が高く設定されます。続いて交通量。交通量が多いとなるとそれだけ自動車が走っていて人も多いという事であり、人の殆どいない交通量の少ない場所よりも事故が多いと言えるでしょう。そのため、この一例ではリスクが高めと判断され、総合的な保険料が高く設定されることになります。次にもう1つ例を見ていきましょう。今度は逆に「ある程度お年を召されており、かつ十年以上の運転経験があり、過去に事故を起こしていない」という人の場合はどうなるのか説明します。まず年齢に関しては、40~50代程度であれば、ある程度慎重に運転するようになっているであろうと判断されます。
しかし、逆に高齢者(一般的には、65歳以上)などになると、昨今高齢者の運転による交通事故の増加が問題視されていることもあり、リスクが高いと判断されることもあります。次に運転経験と事故経験。こちらは運転経験が長ければ長いほど、それだけ事故を起こしていないという経歴は、信頼性があり、リスクが低いと判断されます。そのため、この例は先程の若い方の例と比較すると大幅に保険料が安くなります。
リスク細分型自動車保険=安いわけではない
リスク細分型自動車保険については以上の通りになります。ここで注意して欲しいのは、リスク細分型自動車保険にしたからといって安くなるというわけではないということ。
あくまで保険料を個人個人のリスクに即した額になるように、情報を元にして保険会社が判断・決定するため、それこそ上記の例のようにリスクが高いと判断されてしまえば、他の保険よりも高くなってしまうことだってあります。そのためリスク細分型自動車保険を選ぶ場合は、事前に自分でリスクを考えた上で、自分はリスクが低いドライバーであると証明できるように情報を揃えておくことが大切です。
まとめ
以上、リスク細分型自動車保険について解説しました。基本的に若い・運転経験が無い内はそれだけで保険料が高くなってしまうため、ドライバーなりたての人よりも、ある程度運転経験があり、事故もあまり経験したことが無いという人におすすめの保険と言えるでしょう。