PR

LPG車は個人で購入できるの?あまり普及しない理由

自動車のマメ知識

LPG車とは、LPガスを燃料として走行する車です。このLPG車、あまり見かけないと感じている人も多いのですが、現在日本での普及台数は約26万台と言われています。
確かに自家用乗用車全体の6135万台超(2018年)を考えれば、ほとんど普及していないと言える数字でしょう。なぜあまり普及していないのか、そもそもLPG車は個人で購入できるものなのかを今回は解説していきます。

高価買取

大部分はタクシーやトラック

冒頭で触れた通りLPG車の普及台数は約24万台ですが、そのほとんどがタクシーやトラックなどの業務用車両だということはご存知でしょうか。特にタクシーの場合、全体のおよそ80%以上がLPG車という実態があります。試しに、街で見かけるタクシーにLPガスのステッカーが貼ってあるかどうか、是非チェックしてみてください。おそらくほとんどのタクシーでステッカーを見つけることができるはずです。

タクシーにLPG車が多い理由

理由は排気ガスがクリーンなことや航続距離が長いことなどが挙げられますが、やはりリッターあたりの販売価格がガソリンよりも安いことが挙げられます。営業に使われる車両なのですから、経済性に優れているに越したことはありません。

車としての基本的な構造はガソリン車とさほど変わりはないのですが、燃料タンクや燃料と空気を混合する装置に違いがあります。ガソリン車よりもCO2排出量を約1割少なくすることが可能で、環境に配慮した車としてイメージもアップできるでしょう。エンジンオイルの汚れも少ないためメンテナンスの負担も軽くなります。
特に大きなデメリットはなく、トルク面では多少ガソリン車には劣るものの支障が出るようなレベルではないので、選択されるのも納得ですね。同様に、公共の作業車など大型車両や特殊車両にも多く採用されています。コストが抑えられる上に環境にも配慮していることがわかるので、公共作業車にはピッタリでしょう。

10万円以上の差が付くこともあります

個人でのLPG車購入は可能なのか

ここで気になるのが、果たして個人での購入が可能かどうかという点です。どうしても業務用車両用というイメージが強いので、個人の乗用車としては買えないのでは思うのもわかります。ただ結論を言えば、もちろんLPG車を自家用車として購入し、使用することも可能です。

新車を作っているのはトヨタや日産、マツダ、三菱ですが、中古で良いなら一般の中古車販売店でもLPG車を見つけることができます。また、事業者の中には、通常のガソリン車やディーゼル車をLPG車に改造する業者もいます。後改造の場合、改造用キットを取り付けることでLPG車化しますが、この改造キットも車体に応じて国産のものも外国産のものも様々開発されています。
自動車メーカーが改造に関与する準メーカー車などもあり、実はタクシーや業務用トラック以外にも、一般乗用向けの車種も近年増えつつあります。流通自体は少ないものの、決して手に入れることができない車というわけではありません。

購入したらどのように使えば良いか

LPG車を購入したとしても、特に普通乗用車と異なる乗り方をする必要はありません。燃料代は非常に低くなりますし、燃費も車種によりますが普通乗用車とほぼ変わりません。またオイル交換周期が長いのが特徴で、ガソリンのようにカーボンスラッジが発生しにくいため、オイルがすすで黒く汚れることがほとんどありません。オイルそのものの劣化周期で交換すれば十分なため、一般的に1万キロごとに交換するだけで安全に走行できます。

LPG車を維持するには

その他の消耗品は、バッテリー以外はガソリン車と変わりません。バッテリーに関してだけは、冬場などエンジンの始動性がガソリン車より劣るため、消耗が多少早いと言われています。気を付けるべきなのはLPGタンクの検査がある点で、これはガソリン車にはなくLPG車だけに必要な項目となります。周期は6年に1回なのでさほど頻繫ではありませんが、車検周期とは関係無く検査周期を持つので、そこは気を付けておきましょう。

いずれにしてもこうした検査費用を差し引いてもLPG車のコストメリットは絶大で、多くのタクシーが採用する理由になっています。

どうしてあまり普及しないのか

ここまで良い要素が揃っているのになぜLPG車があまり普及していないのか、その理由はおそらく一つです。それはLPガススタンドを街中で見かけることがないからでしょう。

燃料補給が困難である

LPG車への燃料補給は、LPガススタンドで行う必要があります。現在LPガススタンドは全国の主要都市を中心に約1,500ヶ所設置されていますが、自分の身近でどこにあったかすぐに思い出せる人は多くありません。法人の営業所などに設置できる簡易型LPガススタンドも普及し始めてはいるのですが、どこで燃料補給すれば良いかわからないというのは、やはり不安要素ですよね。

また、ガスタンクが大きいためトランクスペースが圧迫され、大きな荷物を入れにくいという使い勝手のマイナス面もあります。燃費やクリーンエネルギーという点では電気自動車や水素自動車もじわじわと普及してきていますから、技術面での競合もあるでしょう。車の技術はすごいスピードで進化し続けていますから、今あえてLPG車を買おうとする動機付けは、確かに薄いかもしれませんね。

まとめ

LPG車は経済性が高くクリーンな車両のため、タクシーやトラック、公共作業車両などで普及しています。個人購入ももちろんできますが、LPガススタンドの数の少なさや技術競合により、今一つ普及していないのも事実でしょう。

無料見積もり年中無休で査定