今回は、誰でも一度は聞いたことがあるだろう『事故車』について考えていきたいと思います。皆さんは「事故車ってどんな自動車ですか？」と聞かれると、どのような自動車をイメージするでしょうか？多くの方は、その名前から「事故にあってボロボロになってしまった自動車」を頭に思い浮かべるのではないでしょうか？もちろん、これに関しては完全に間違っていると言う訳ではありませんが、中古車市場ではもう少し詳細に定義されているものなのです。
中古車を購入する時には、絶対に『事故車』はつかみたくないと考えている人も多いでしょうが、定義を間違って理解している場合には、少し心もとない事もあるでしょう。そこで今回は、中古車市場で言われる『事故車』とはどのような自動車なのか？また、事故車の安全性や、万が一自分の愛車が事故車になってしまった時の処分方法についてご紹介していきたいと思います。
『事故車』に関するよくある勘違い！
それではまず、「事故車とは何だ？」と言う点について簡単にご紹介していきたいと思います。冒頭でもご紹介しましたが、事故車と聞けば、多くの方がそのまま文字通りの意味で『事故を経験した自動車』だと考える物ですね。もちろん一般的な認識では間違っていないのですが、これが中古車業界においては少し違うのです。中古車業界における『事故車』とは、自動車の根幹部分に位置するフレームなどを修理した経験がある自動車の事を指しており、一般的に『修復歴車』等と呼ばれます。つまり、事故を起こしてしまったけれど、修理した箇所が「バンパーやボンネットの凹みを直しただけ」といった場合、修復歴に含まれませんし、事故車には定義されないのです。逆に、事故などは何も起こしていないけれど、何らかの原因でフレームなどを修理した場合には『事故車』に定義されるのです。修復歴がつく修理個所については、以前まとめていますので、そちらの記事をご確認ください。
中古車購入時の注意点
中古車業界での『事故車の定義』は分かっていただけましたね。ここで中古車を購入する時の注意点を簡単にご紹介しておきましょう。中古車を販売する場合には、『修復歴』を告知する義務があるのですが、逆に言うと『修復歴以外』を告知する法的義務はありません。したがって、その自動車の細かな『事故歴』の有無まで細かに提示してくれるのは、よほど良心的な業者だけと考えておきましょう。
つまり、中古車を選んでいる時に「この自動車は事故車ですか？」と聞いたとしても、修復歴がない自動車であれば、軽微な事故歴がある自動車でも「事故車ではありません」と返されてしまうのが普通です。もしあなたが大小問わず、事故を起こしたことがある自動車なのかを知りたいのであれば、「修復歴に含まれない事故は起こしていますか？」等と聞く必要があるでしょう。もちろん、中古車販売店がその自動車の軽微な事故まで把握しているとは限りませんが、多少詳しく自動車の状態を説明してもらう事が出来るのではないでしょうか。
『事故車』を乗り続けても問題ない？
それでは次に『事故車の安全性』について考えていきましょう。事故車のメリットを考えれば、安価で手に入れる事が出来ると言う点がありますね。例えば、中古車を購入しようと思った時には、状態の良い自動車であれば、中古であったとしてもそれなりの金額になります。しかし、これが『事故車』となれば、同じ車種であっても圧倒的に安い値段で販売されているのです。しかし、いくら安いと言っても積極的に『事故車』を買いたいと考えている人は多くはないでしょう。それでは、事故車にはどのようなリスクがあるのでしょうか？
事故車と言っても千差万別
事故車のリスクについて、答えから言ってしまうと「分からない…」です。答えになっていないと思うかもしれませんが、事故車と言ってもその状態は千差万別で、廃車寸前のダメージを負った物もあれば、軽微な事故で状態的にはそこまで悪くない物までいろいろあるのです。もちろん、中古車販売店で販売されているような自動車であれば、どのようなダメージを負った自動車であっても、購入当初に関しては問題なく走るはずです。
しかし、問題があるのは、乗り続けた場合、将来的にどのような問題が表面化するのか？と言う点でしょう。例えば、事故でフレームが歪んでしまった場合、フレームごと交換したのでは安く販売することが出来なくなってしまうので、一般的に矯正すると言う手段で修理を行います。しかし、あくまでも矯正ですので、元通りに戻る訳もなく、強度も落ちてしまう物なのです。したがって、その自動車を乗り続けていると、矯正されたはずの歪みが徐々に大きくなり、まっすぐ走らなくなったり、雨の日に雨漏りするようになってしまうなんてことがあるのです。しかし、この様なリスクは、いつ表面化するのかがわからず、自分が使用している間には表面化しない場合もある事でしょう。
このように聞くと、中古車販売店で販売されている事故車は、確かに圧倒的に低価格で販売されていますので、魅力的に思えるかもしれませんが、個人的にはお勧めできません。どうしても予算的な問題で事故車を購入するしかないと言う方は、きちんと保証やアフターフォローを行ってくれるのか確認したうえで購入しましょう。
『事故車』は絶対に売却できないのか？
それでは最後に、ご自身の愛車が事故を起こしてしまい『修復歴』がつくような事故車になってしまった場合の対処についてご紹介していきましょう。上述しているように、中古車業界で『事故車』となってしまうような自動車は、非常に買い手が付きにくいため、ディーラーや中古車販売店に査定に出したとしても買い取りを拒否されてしまう事も珍しくありません。なぜかと言うと、ディーラーや中古車販売店が自動車を引き取る理由と言うのは、あくまでも引き取った自動車を整備して『再販』することが目的だからです。その為、「修理費用の方が高くつきそう…」や「修理しても修復歴がつくから買い手がつかない…」等と考える様な自動車の場合は、買い取ったとしても邪魔にしかならず、場合によっては逆に引き取り料で数万円以上請求されることまであるのです。
それでは、『事故車』になってしまったら、どこにも売却する事が出来ないのでしょうか？実はそうではなく、廃車買取業者であれば事故車でも買い取ってくれる可能性があるのです。
廃車買取業者なら買い取ってくれます！
廃車買取業者とは、あまり馴染みがないと言う人も多いかもしれませんが、その言葉の通り、廃車にするようなボロボロの自動車でも買い取ってくれる業者さんの事です。
ディーラー等であれば、逆にお金を払わなければならない自動車を『買取り』までしてくれると聞いても、俄かには信じられないかもしれませんが、実は、廃車買取業者はディーラー等と価値の見出し方が全く異なる為、事故車でも買い取る事が出来るのです。自動車は、いくらボロボロになった自動車でも、まだまだ利用できるパーツはたくさんとる事が出来ます。さらに車体に使用されている鉄やアルミ、銅などといった物は『資源』としてかなり高値で売却する事が可能なのです。廃車買取業者は、このようなパーツや金属を『リサイクル資源』として査定を行ってくれるため、事故でもう走らない自動車だとしても買い取る事が可能なのです。
さらに廃車買取業者に自動車の処分を依頼した場合、廃車に必要な様々な手続きも全て無料で行ってくれます。事故に遭ってしまった愛車を出来るだけ高値で売却したいのであれば、廃車買取業者に連絡してみると良いかもしれませんね！
まとめ
今回は、事故車の定義や安全性、またその価値についてご紹介してきました。事故車という物は、中古車販売店に行ってみれば、同じ車種の自動車と比較しても圧倒的に安価で販売されており、その安さから魅力に思ってしまう人も多い事でしょう。しかし忘れてはいけないのは、その安さにはそれだけの理由があると言う事で、購入後使用していると突然不具合がたくさん表面化してしまい、修理費用で結果的に損をしてしまうなんてことも珍しくないのです。
また、事故車になってしまった場合には、処分に困ってしまう人が非常に多いと言う事も覚えておきましょう。中古車販売店やディーラー等であれば、基本的に買取りを拒否されてしまう物で、処分だけ依頼する場合には、多額な費用を請求されてしまう事も少なくありません。その為、事故車の処分は、廃車買取業者に相談してみる事をお勧めします。廃車買取業者であれば全て無料で廃車手続きを進めてくれますし、自動車によっては予想外に高額な金額で買い取ってくれることもありますよ！
