持病があると自動車保険はどうなる?
持病があると保険に入れない、という話を聞いたことがありますか?実際、病気によってはほとんどの保険に加入できないこともあったようです。
最近では持病があっても医師の診断書があれば加入することができたり、持病持ちの人専用のプランがあったりと、保険会社もさまざまなプランを用意するようになりました。
人生80年時代、持病を持っていると保険に入れないでは、困りますよね。
さて、自動車保険も保険のひとつですが、同じことが言えるのでしょうか?
生命保険や入院保険などと違って、自動車保険は「自動車に乗る」ことを前提としています。自動車の運転は免許を取得するくらいですから、それなりの技術や経験が必要です。
果たして、持病があっても自動車保険に入ることはできるのでしょうか?
そして、持病が原因で事故が起きた場合でも、保険金は受け取れるのでしょうか?
自動車保険の種類について
まずは前提となる自動車保険について説明します。自動車保険には「自賠責保険」と「任意保険」があります。
その違いは単純で「強制的かどうか」です。
つまり、「自賠責保険」は車を購入すると必ず入らないといけない保険であり、「任意保険」は入ってもいいし、入らなくても良い保険というわけです。
こう聞くと、自賠責保険に入るのなら、任意保険には入らなくてもいいじゃない?と思いがちです。
しかし、この自賠責保険の補償内容は、相手の身体への補償に限られています。つまり、事故を起こしてしまった場合、自分の車と身体、また壊してしまった物の賠償に関しては何の保証もないのです。
では、任意保険はどうでしょう。
持病持ちでも自動車保険に入れるのか
さて、自賠責保険と任意保険の違いがわかったとことで本題です。持病があっても保険に入れるのかどうか。自賠責保険はどうでしょう。自賠責保険は先に述べたように、強制的に入らなければいけない保険です。そのため、たとえ持病があったとしても、車を保有している限りは加入をしなければいけません。これは全く問題ありませんね。
では、任意保険はどうでしょう。気になるのはこちらですよね。結論から言うと、任意保険は持病があるからと言って加入を断られることはありません。これは、任意保険の加入条件に病気に関する条項がないためなんです。
つまり保険会社は、病気が理由で加入を断ることができません。保険会社は、病名を名指しして、「この病気だと加入できません」と言うことはできないのです。そのため、持病があっても、任意保険に加入できます。
自動車保険に入れない場合はどんなとき?
では、逆に任意保険に入れないときはあるのでしょうか。実は、以下のいずれかの条件にあてはまる人は保険会社から加入を断られる場合があります。
- 等級が「1等級」か「2等級」の人
- 事故歴がある人
- 高級車に乗っている人
- 保険会社のブラックリストに載っている人
等級が「1等級」か「2等級」の人
自動車の任意保険に加入すると、基本的に6等級からはじまります。もし事故にあってしまうと、翌年は3等級ダウンしてしまいます。そのため、2等級以下の人は少なくとも2度事故を起こしていることになります。
事故歴がある人
事故歴がある人というのも概ね同じで、1年間に3回以上を事故を起こしている人は契約ができない場合が多いです。
事故の場合は保険会社がお金を沢山払ってしまい損が増えるので、保険金の支払額より保証金のほうが多いとわかっている人を、加入させたくないということですね。
高級車に乗っている人
高級車は単純に修理代がものすごく高くつくことがあるので、場合によって車両保険の加入のみNGとなる場合があります。
保険会社のブラックリストに載っている人
保険会社のブラックリストに載る人というのは、「事故歴が多い」「飲酒運転」「保険金詐欺」などの場合です。このような人は当然保険会社にとってリスクでしかないわけです。
こうして加入できない条件でみると、特定の病気による加入制限はありませんね。
たとえ持病があったとしても事故を起こさなければ、保険会社にとってリスクにはなりませんので、加入を断られることはないのです。
まとめ「場合によっては医師の診断書の提出が求められる場合も」
いかがでしたでしょうか?持病があって、任意保険に入れないのではないかと悩んでいる人にとっては、安心できる内容でしたね。
しかしながら、場合によっては加入前に医師の診断書の提示を求められることもあるので、注意が必要です。
例えば「てんかん」などの持病を持っている場合は、そのような可能性が高いです。
そもそもてんかんの場合はかかりつけの医師によって運転が止められる場合もありますので、保険に入るときはもちろん、車を運転するときにも必ず医師に相談しておきましょう。
また、持病の有無に係らわず、事故歴がある人は加入が断られる場合があるので、日頃から安全運転を心がけましょう。