近年、「若者の車離れ」等がTVなどでも取り上げられる時代ですが、その大きな理由の一つは「維持費がもったいないから」という方が多いそうです。
確かに自動車を取得・維持していくには、日々のガソリン代などの維持費以外にも様々な費用が必要になってきますね。その中でも自動車に課される税金は自動車の所有を考えている人には悩みの種になってしまいます。自動車を所有する場合には、購入時から税金が課されますし、他にも日々の給油時や、毎年問答無用で請求される自動車税、車検の時に支払う必要がある税金など、本当に様々な税金が課されます。
そこで今回は、マイカーを購入したいものの、税金が払えない…等とならないように自動車に必要な税金をご紹介していきます。
自動車に課される9つの税金
まずは自動車に課せられる税金について見てみましょう。上の動画はJAFが税金の種類を説明した動画なのでご覧ください。この動画によると、日本では自動車の取得・維持には9種類の税金が課せられるという事が分かります。これらの税金は、諸外国と比較しても税額も高い為、ユーザーへの負担が大きいという事もうなずけますね。それでは、それぞれの税金についてシーン別にご紹介していきたいと思います。
自動車取得時に課せられる税金
まずは皆さんが自動車を購入するときに課せられる税金を見てみましょう。
自動車取得税
自動車取得税とはその名の通り、自動車を購入した際に、その取得者に対して課される税金です。具体的には購入する自動車の評価額が50万円を超える場合に、都道府県が自動車の取得者に課す税金で、地方税に分類される税金となります。自動車取得税の計算方法等は、また別途記事にまとめます。自動車取得税は、消費税が8%に上がったタイミングで取得評価額に5%が課税されていたものが3%(普通車)に変更されました。今後、消費税が10%に上がるタイミングで、自動車取得税が廃止され、環境性能割税が導入される予定です。
購入した車両に課せられる消費税
これは皆さんおなじみの税金ですね。自動車の取得には現在8%の消費税が課せられます。今後、消費税が10%になるタイミング自動車取得税は廃止される予定です。
自動車維持に課せられる税金
自動車には取得時以降も色々な税金が課されます。自動車を維持するときに必要になる税金には、日々のガソリン給油時にいつの間にか課せられているガソリン税や、毎年問答無用に請求される自動車税などがあります。
ガソリン給油時に課せられるガソリン税等
ガソリン税とは、正式名称で「揮発油税及び地方揮発油税」という物ですが、皆さんもガソリン給油後にレシートを見て驚くほど税金が取られていてビックリなんて経験もあるのではないでしょうか?
これには、ガソリンには様々な税金が含まれているためで、その税金の内訳は以下の様になっています。
- ガソリン税(本則税率と暫定税率)53.8円/1L
- 石油税(地球温暖化対策税含) 2.54円/1L
- 消費税
ガソリンは本体価格に対して上記の様な税金が課せられ、日々の生活で給油を行うたびに支払っている事になります。特に消費税に関しては、長年、二重課税問題が議論されています。ガソリン税や石油税は、どちらも固定額が税金として課されます。尚、軽油は消費税が課されない事や、ガソリン税にあたる軽油取引税(32.1円/L)が安い事からガソリン価格よりも安い価格になるのです。
毎年の自動車税or軽自動車税
自動車税(軽自動車税)は、毎年4月1日時点で自動車を保有していた場合、その所有者に自動的に課せられる税金です。『毎年4月1日時点』という事からわかる通り、自動車の購入やもう乗らない自動車の廃車手続きは、この日を注意すれば節税になります。自動車税の税額は、自動車の用途や総排気量によって変動します。自家用車の総排気量の違いによる税額を下にまとめますので参考にしてみてください。
自家用車の総排気量別税額 | |
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1リットル以下 | 29,500円 |
1リットル超~1.5リットル以下 | 34,500円 |
1.5リットル超~2.0リットル以下 | 39,500円 |
2.0リットル超~2.5リットル以下 | 45,000円 |
2.5リットル超~3.0リットル以下 | 51,000円 |
3.0リットル超~3.5リットル以下 | 58,000円 |
3.5リットル超~4.0リットル以下 | 66,500円 |
4.0リットル超~4.5リットル以下 | 76,500円 |
4.5リットル超~6.0リットル以下 | 88,000円 |
6.0リットル超 | 111,000円 |
自家用乗用軽自動車 | 10,800円 |
尚、環境性能に優れた、所謂「エコカー」と言われる自動車は自動車税の優遇を受ける事ができ、逆に新車登録後一定期間を経過した環境負荷が大きい自動車は15%の重税があります。
自動車重量税
自動車重量税は、自動車の新規登録時と車検の際に支払う税金で、車検証の有効期間分をまとめて徴収されます。この自動車重量税は、自家用乗用車の場合は自動車の車両の重さによって税額が変わり、軽自動車の場合は重さに関わらず定額となります。
また、自動車重量税は新規登録から13年以上経過すると税額が上がり、18年以上となるとさらに税額が上がります。
尚、自動車税同様、環境性能に優れた「エコカー」には優遇措置があります。
自家用乗用車 年数による自動車重量税 | |
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新車~12年以内 | 車両重量0.5tごとに4100円/1年 |
13年~17年以内 | 車両重量0.5tごとに5700円/1年 |
18年~ | 車両重量0.5tごとに6300円/1年 |
自家用軽自動車 年数による自動車重量税 | |
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新車~12年以内 | 車両重量関わらず3300円/1年 |
13年~17年以内 | 車両重量関わらず4100円/1年 |
18年~ | 車両重量関わらず4400円/1年 |
自動車重量税は、数年分の税金をまとめて支払うため、車検の有効期間中(残存期間1ヶ月以上)に廃車手続きを行った場合、還付金を受け取る事が出来ます。
まとめ
今回は自動車の購入時や、自動車を維持していくために所有者に課せられるいろいろな税金をご紹介しました。日本国内の自動車に課される税金は、諸外国と比較しても高い水準にあると言われています。例えば自動車先進国のアメリカ等と比較すると約4倍もの税金がかかっています。特に地方にお住まいの方であれば複数台の自動車を所有していると言う家庭も少なくなく、家計に重くのしかかってくる大きな問題にもなります。
自動車に課せられる税金は、今回ご紹介したように複雑でよくわからないと言う方も多いでしょうが、自動車を購入してから税金が払えなくて困る…といった事にならないように、事前にシュミレーションしてから購入することをオススメします。また、ご自宅にもう乗らない車などを保管しているといった事も多いでしょうが、自動車は所有しているだけで様々な税金が課せられます。無駄なコストを削減する為にも、いらなくなった車は、早めに廃車手続きすることをオススメします!