子どもは親の支え無しで歩けるようになるまで、およそ一年を要します。歩けるようになってからも目は離せるわけではありませんが、体のバランスなどは比較的安定します。
赤ちゃんの体のバランスが安定するにつれ、外出の機会も増えることと思いますが、買い物に行くにも旅行をするにも、赤ちゃんを連れて行く事になるでしょう。しかし、車での移動の際、気をつけなければいけない点があります。
今回は、赤ちゃんを乗せた車で長距離移動をする際、気をつけるべきことなどを解説します
赤ちゃんを抱いて車に乗るのは違法?
赤ちゃんを抱いて車に乗るのは「違法」です。これは道路交通法で定められており、要約すると「幼児用補助装置を使用せずに幼児を乗せて運転してはならない」という内容が記されています。
重要なのはこの「幼児用補助装置」というもので、これさえあれば赤ちゃんを乗せた車の運転自体はOKです。この幼児用補助装置とは、一般的にいう「チャイルドシート」を指します。
チャイルドシートとは
「チャイルドシート」とは、幼児を振動や衝撃から守るための、幼児用ベルト付きの座席です。しっかりと身体を固定することで、赤ちゃんの負担になる衝撃を緩和し、事故の際に赤ちゃんが怪我をしないように守ってくれます。それでも腕に抱いていた方が安全だ、安心できるという方も居ますが、それではきちんと衝撃や振動を緩和できず、赤ちゃんの身体に大きい負荷がかかってしまったり、いくらしっかり抱きかかえていても、シートベルトの構造上赤ちゃんはシートベルトの外に居る事になります。
その状態で急ブレーキなどの衝撃があった場合、抱えていた赤ちゃんがすり抜けてしまうことも考えられます。抱えていないと不安という方も多いでしょう。しかしシートベルトをつけていれば、腕で抱えているよりも衝突事故が起こったときに大事にはなりにくく、ずっと安全です。腕の中よりチャイルドシートの方がずっと安全です。
どういったチャイルドシートを買うべきか
赤ちゃんを乗せて移動するためには、チャイルドシートなどの幼児用補助装置の用意は必須です。基本的にはお好みで選んで構いませんが、成長することでそれまでジャストフィットだったチャイルドシートがきつく感じたり、あるいはきちんと座れなくなったりします。きちんと成長に合わせて買い替えたり調整できるものを選びましょう。
出発前にはしっかりチャイルドシートが固定されているかを確認し、赤ちゃんがずれてチャイルドシートから滑り落ちたりしないようにしっかりとベルト留めされているかどうかも確かめましょう。
必須ではないがあったほうが良いもの
次にあったほうが赤ちゃんのためになる道具をご紹介しましょう。
キャンピングカーなど居住性特化の車でもない限りは、車の中というのはあまり快適ではありません。そのため、赤ちゃんや運転者、同乗者への負担を、少しでも減らせるように工夫するべきでしょう。
赤ちゃんへの負担改善であれば、例えばカーテンやチャイルドシートの改造。赤ちゃんは暑さ・寒さへの耐性が低く、あまりに寒かったり暑かったりすると体調を崩してしまいます。
カーテンをつけることで、夏であれば日差しを、冬であれば冷気を遮ることができます。
ただ赤ちゃんの中には、外の風景を眺めることが好きな子も居ることでしょう。そんな子の場合は、カーフィルムなどで対処すると良いでしょう。他にもあたたかいもの、あるいはひんやりとした物を仕込めるようにチャイルドシートを改造したりするのも良いでしょう。熱すぎたり冷たすぎたりしないよう注意してください。
振動を利用して車内でメリー?
自動車は、最も静音性が高い電気自動車であってもある程度の揺れは発生してしまいます。その振動を逆手にとって利用しようと、車内に小型のメリーの取り付けは赤ちゃんにどのような結果をもたらすのか実験した方がいました。
その結果、車の振動で勝手に揺れるメリーで赤ちゃんは釘付けになり、泣いてくずることもなくなったという結果になりました。お母さんが隣で赤ちゃんの相手をし続けられるのであれば不要かもしれませんが、お母さんが赤ちゃんを連れて運転する際には、どうしても運転中に赤ちゃんの相手をすることはできません。しかし、この様に何か赤ちゃんの興味を引くようなものを取り付けることによって、運転手も運転により集中できるようになるでしょう。
赤ちゃんを乗せて運転する上での注意点
ためになるものをご紹介した所で、次は運転をする上での注意点を。安全運転は述べるまでもなく当然ですが、赤ちゃんを乗せて運転するというときにこそ、注意すべき点を解説します。
車酔い
まず1つ目、「赤ちゃんの車酔い」です。実は生まれたばかりの赤ちゃんは車酔いをほとんどしません。
人間、何かしら乗り物で酔ったりするのは、平衡感覚が発達しているためです。振動や回転により、平衡感覚の機能は低下し、それによって体調を崩してしまいます。しかし新生児はそもそも平衡感覚をつかさどる器官自体が未発達のため、酔うことがほとんどありません。
成長するにつれて平衡感覚もしっかり発達するので、酔うようになってしまう子も出てきます。そのため、新生児の内は酔わなかったからといって、成長した子が酔わないとは限らないため車酔いをしていないかどうかは常に注意しましょう。
ただ、車酔いをしているからといって赤ちゃんに薬を飲ませたりしてはいけません。例え市販の薬でも赤ちゃんには毒になり得ます。「車に酔った時に注意する」というよりも、「車に酔わないように注意する」という対処が最適です。まず、換気はこまめにして極力振動が無くなるようにゆっくり運転するか、あるいは元から振動の少ない車に乗るようにして、後はお腹がいっぱいのときに乗せたりせず、またお腹を締め付けるようなものを取り付けない事で赤ちゃんを酔わないよう工夫してください。それでも酔ってしまうという場合は、停車休憩をこまめに挟んであげるようにしましょう。
長時間の移動
次に「長時間の移動」です。というのも、赤ちゃんは体力がほとんど無いため、1時間以上の移動は赤ちゃんの負担になると考えて良いでしょう。やむを得ない事情があるならば、「もっと時間をかけてゆっくり行く」と良いでしょう。つまりは、赤ちゃんの体力を回復させながら移動するということです。「赤ちゃんの負担を最小限にしよう」と急ぐと、運転が荒くなったり速度が上がって振動が強くなったりするため、赤ちゃんの事を考えるのであれば急がば回れの精神で、振動などの負担を極力へらす運転をするように心がけた方が良いでしょう。
車に乗せるタイミング
最後に赤ちゃんを乗せるタイミング。車の移動を行うタイミングに関してですが、車酔いの際にも言ったように、満腹状態で車に乗ると車酔いになりやすくなります。授乳後に時折もどしてしまう子も居るため、授乳後に数分から10分以上時間を置いてから乗せた方が良いでしょう。移動中に授乳を行う際も、可能なら、授乳を終えてもすぐに出発するのではなく、時間を置いてから出発すると良いでしょう。
まとめ
以上、赤ちゃんを車に乗せて移動する際の注意点や、赤ちゃんの車酔い対策などについて解説しました。赤ちゃん連れの運転の際、注意すべき点は色々ありますが、シートにきちんと固定できているか、車酔いや体調を崩してはいないかというのをしっかりと見ておく事で、長時間の移動でも赤ちゃんの負担を最小限に抑えることができるでしょう。