今回は、自動車が盗難されてしまった場合に必要になる手続きについて、その詳細をご紹介したいと思います。皆さんは、万が一自動車が盗難されてしまった場合、どのような対処をすればいいと思いますか?真っ先に思い浮かぶのは、警察に連絡して盗難届を提出する事でしょう。
もちろん、この対応は当たり前の事で、盗難届は必ず提出しなければいけません。しかし、「盗難届さえ出せば問題ない!」と考えているのであれば注意が必要でしょう。実は、自然災害や盗難被害に遭って、手元に自動車が無くなってしまった場合でも、その自動車の登録が残っている状態であれば、自動車税等の各種税金の支払い義務は残ったままになってしまうのです。その為、盗難届を出した後に、きちんと廃車手続きを進めなければいけません。
さらに、盗難にあって手元に自動車が無い場合の廃車手続きでは、「なぜ自動車が無いのか?」という事を説明する『理由書』を添付しなければならないのです。通常の廃車手続きですら「何が必要になるのか分からない…」と言う人も多いでしょうし、必要書類が増えてしまうと何から手を付ければいいのか困ってしまうと言う人も少なくないですよね。そこで今回は、自動車を盗難されてしまった時の廃車手続きに必要になる『理由書』の書き方をご紹介します。
自動車を盗難されたときの対処法
それでは最初に、自動車を盗難されてしまった場合に必要になる手続きについて簡単にご紹介しておきます。自動車が盗難されてしまった場合には、まず警察に連絡し盗難届を提出しなければいけません。その後、税金などの支払いをストップする為に廃車手続きを行うのですが、盗難された自動車が見つかったら再度使用したいと考えているのであれば『一時抹消登録』と言う手続きを進めなければいけません。廃車手続きには『永久抹消登録』と言う手続きもあるのですが、こちらを進めてしまうと、盗難された自動車が見つかったとしても再使用することが出来なくなってしまいます。
まずは警察で盗難届を提出
自動車が盗難された場合には、最寄りの交番や警察署で盗難届を出しましょう。盗難届を出す際には、以下の項目を記入します。
- 盗難に遭った日付・状況
- 自動車の登録番号
- 車台番号
- 自動車の特徴(色・年式など)
- 自動車の所有者・使用者
- 車内に積載していた物品 等
盗難被害に遭った際には、車検証やナンバープレートも一緒になくなっている事がほとんどです。その為、分からない情報などは自動車を購入した店舗等に聞いてみましょう。
盗難届を提出すると、受理番号が交付されます。盗難届の提出日と受理番号はその後の手続きで必要になるのでメモに残しておきましょう。
廃車手続きを行う
盗難届の提出が済んだら、廃車手続きを進めましょう。上述しましたが、廃車手続きにも一時抹消登録や永久抹消登録と種類があるので、盗難車が見つかった時の事を考えて廃車手続きを進める必要があります。自動車が運よく見つかった場合、再度その自動車を使用したいと考えているのであれば、一時抹消登録を進めます。手続きには、以下の物が必要になります。
盗難された自動車の一時抹消登録に必要な書類
- 申請書(OCRシート第3号様式の2)
- 手数料納付書
- 理由書(ナンバープレートと車検証のいずれか又は両方が無い場合)
- 登録事項等証明書(車検証の再交付でも可)
- 印鑑証明書
- 委任状(代理人申請する場合。実印を押印)
- 実印(代理人申請する場合は不要)
※ナンバープレートと車検証がある場合は提出
一般的に上記の物を用意する必要があります。登録事項等証明書や車検証の再発行については別記事でまとめていますので、そちらをご覧ください。
理由書の書き方について
それでは、自動車を盗難された場合の一時抹消登録に必要になる理由書の書き方例をご紹介していきましょう。理由書は、国土交通省や各運輸支局のHPから無料でダウンロードすることが出来ますので、そちらを印刷して使いましょう。ただし、印刷用紙に関して、感熱紙はNGですので普通紙を利用してください。
- 管轄の運輸支局名を記載してください。自動車検査登録事務所に提出する場合でも、各都道府県を管轄する運輸支局名を記載します。
- 車検証に記載されている登録番号と車台番号を記載してください。車検証が盗難されている場合には、自賠責保険証等で確認しましょう。
- 該当する状況にチェックを入れて下さい。
- 盗難にあった日、盗難届を提出した警察署名、届出を出した日付、受理番号を記載しましょう。盗難届の提出日と受理番号はその後の手続きで必要になるのでメモをお忘れなく。
- 盗難にあった状況を出来る限り詳細に記載してください。
- 所有者又は使用者の氏名・住所を記載し、認印を押印してください。
まとめ
今回は、自動車を盗難された場合に必要になる手続きや、手続き上必要になる理由書の書き方についてご紹介しました。意外とやる事が多くてビックリしたと言う人も多いかもしれませんね。
自動車が盗難された場合、警察に盗難届を提出することは当たり前のごとく行うのでしょうが、廃車手続きについては頭から抜け落ちていると言う人が意外に多いものです。冒頭でもご紹介した通り、盗難などで手元に自動車が無くなっていたとしても、自動車の登録自体は残っていますので、自動車税などの支払い義務は残っているのです。自動車も盗難で無くなり、その上、乗ってもいない自動車の税金を支払わなければならない等となると、損しかありませんので、忘れずに廃車手続きを進めましょう!