皆さんは、自動車に関する『リサイクル料金』や『リサイクル券』って何のためにあるのか知っていますか?リサイクル料金は、新車購入時に『預託料』として自動車の所有者が支払っているものなのですが、このリサイクル料金については、普段のカーライフに関係してくることもほとんどないため、何のために必要なお金なのか正確に理解していないと言う方も少なくないようです。
自動車は一度購入すれば、ずっとその自動車を使用するといった物ではなく、どれだけ大切に扱っていたとしても、いつかは廃車にする時がやってきます。そして、自動車を廃車した際には、オゾン層破壊や地球温暖化問題等を引き起こす『フロン類』の発生があったり、解体時に出るプラスチックくず等、シュレッダーダストが排出されるのです。リサイクル料金は、これらの廃棄物を適正に処理する為、2005年に自動車リサイクル法が制定され、ドライバーは『排出者責任』を問われるようになり支払いの義務がかせられているのです。
こういった流れから「解体費用=リサイクル料金」と勘違いしている方も多いのですが、本稿ではリサイクル料金と解体費用の違いについてご紹介していきたいと思います。
そもそもリサイクル料金って?
それでは、実際にドライバーが負担しなければならないリサイクル料金について見てみましょう。自動車リサイクル法が制定された背景などについては、以前記事にまとめていますので以下をご覧ください。
リサイクル料金は車種によって違う
自動車の所有者が負担しなければならないリサイクル料金に関しては、車種や車両重量によってその費用が異なります。これは、上述したシュレッダーダストやフロン類など、廃棄物の量が自動車の大きさによって異なる為です。基本的には、エアバックの数やエアコンの有無、シュレッダーダストの発生量の3品目によってリサイクル料金が決まります。リサイクル料金の目安は、
自動車の車種 | リサイクル料金の目安 |
---|---|
軽・小型乗用車(コンパクトカー) | 7000円~16000円程度 |
普通車 | 10000円~20000円程度 |
中・大型トラック | 10000円~16000円程度 |
バス | 40000円~65000円程度 |
上記の様になっており、リサイクル料金を支払うとその証明として『リサイクル券』が発行されます。リサイクル券は、自動車の廃車時に必要になる為、大切に保管しておきましょう。
リサイクル料金に関する勘違い
それではリサイクル料金を支払っている事による勘違いを考えてみましょう。上述のように、近年では自動車の所有者に『排出者責任』として、廃車することによって出る廃棄物の処理費用を負担させる制度になっています。このリサイクル料金は、新車購入時などに『預託料』として支払う物の為、自動車を処分する時の費用を先払いしていると勘違いしている人もいるようです。
リサイクル料金は解体費用ではありません!
間違ってはいけないのは『リサイクル料金』とは、あくまでもシュレッダーダスト(自動車を解体した後に出るプラスチックくず等)、エアバッグ・シートベルトプリテンショナーの回収とリサイクル、カーエアコンのフロン類の回収と破壊といった、主に3種類の廃棄物をリサイクルするための料金という事です。
たまにある勘違いとして『リサイクル料金を支払っているから、解体費用は必要ないのでは?』といった話を聞くことがあるのですが、解体費用とは、自動車をバラバラに解体する時の作業費用ですので、リサイクル料金とは全く関係がないのです。
自動車を解体するには、様々な設備が必要ですし、かなりの労力が必要となります。その為、自動車を解体してもらう場合には、普通車の場合で1万円程度の費用がかかるのが一般的です。
さらに、自走できない自動車を解体してもらおうと思えば、その自動車を解体工場まで持ち込むためのレッカー費用が別途必要になります。もちろんですが、このレッカー費用もリサイクル費用などとは全く関係がなく、移動距離によって費用は異なりますが、一般的に1.5万円~2万円程度必要になると言われます。
上記の様に、リサイクル料金を支払っていたとしても、自動車の解体には全く関係がなく、それなりの費用が必要になると考えておきましょう。古い自動車で、リサイクル料金を支払っていないと言う場合には、解体費用に加えてリサイクル料金を支払わなければいけません。
一番賢い自動車の廃車方法とは?
それでは最後に『賢い廃車方法』についてご紹介しておきたいと思います。
それは、自動車の廃車を考えた場合には『廃車買取業者』に依頼すると言う方法です。もちろん、まだまだ状態も良く中古車として売却できる場合には、ディーラーや中古車販売店に下取り査定してもらう方が良い場合もありますが、廃車を考える様なボロボロの自動車であれば満足のいくような査定価格がつく事などほとんどないでしょう。しかも、ディーラー等に廃車を依頼する場合、新しく自動車を購入しないのであれば、廃車する為の手数料を請求されることも多いです。
しかし、廃車買取業者の場合であれば、その自動車の解体費用や廃車に関する手続き費用なども全て無料で代行してくれるのです。廃車買取業者は、解体した後の車両を鉄やアルミの資源としたり、まだ使用できるパーツをリサイクルすることが出来る為、廃車手続きを無料にしたとしても利益があるからなのです。したがって、依頼する自動車によっては予想以上の高額で自動車を購入してもらえた等といった話は多くあります。
ただし、注意しておきたいことは、古い自動車で『リサイクル料金』を支払っていない場合には、リサイクル料金だけは支払わなければいけません。もちろん、廃車買取時にリサイクル料金を相殺してもらう事なども可能ですので、持ち出しでリサイクル料金を支払わなくて済むといった場合もあります。
まとめ
今回は、自動車の所有者に義務付けられている『リサイクル料金』について、勘違いされがちな場面をご紹介してまいりました。
今まで、リサイクル料金を支払ったから、自動車を廃車する時には無料で行えると勘違いしていた人には驚きの情報かもしれませんね。本稿でご紹介した通り、リサイクル料金を支払っていたとしても、その自動車の解体にはもちろん費用が必要になる為、自分で廃車手続きを進めようと思えばそれなりの費用を支払う必要がある事でしょう。
しかし、廃車買取業者に廃車を依頼すれば、解体費用なども必要なく、無料で廃車手続きを進めてもらう事が可能です。廃車買取業者は引き取った自動車の様々な部品をリサイクルして再利用する為、地球環境の事を考えても一番エコな廃車方法なのかもしれませんね!