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『飛び石』でフロントガラスに傷が…修理費用ってどれぐらいかかる?

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自家用車で走行中、突然フロントガラスに小石などがぶつかり、ガラスにヒビが入ってしまう『飛び石』の被害を受けたことがある人は多いのではないでしょうか?

特に晩秋から冬にかけては路面が乾燥し、飛び石が起こりやすいことから被害件数も増加傾向になるといわれています。車に傷はつけたくないですし、走行時は前方を走行する車に気を付けようと思っても、飛び石を避けることは難しく、気づいたら被害に遭っていたという方も少なくありません。飛び石被害の大きさによっては、フロントガラスにヒビが入ってしまい修理や、ガラス交換が必要になる可能性もあります。もしもガラス交換になれば、修理費用が高額になることも考えられます。

万が一、走行中に『飛び石』でフロントガラスに傷が入った場合、修理費用はどの程度必要になってしまうのでしょうか。

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フロントガラスへの飛び石はなぜ起こってしまうのか

『飛び石』は、前方を走行している大型トラックなどのタイヤの溝に挟まっている小石が何かのはずみに後方へ飛ばされたり、道路に落ちている小石が走行中の車のタイヤ等に当たって飛んでしまい、後続を走行中の車のフロントガラスやボディに当たり、ガラス部分にヒビやボディにヘコミなどの傷ができてしまう現象の事です。飛び石が起きやすい場所は、スピードを出して走行する車両が多い、まっすぐで見通しの良い道路や高速道路です。走行中の車両が一定以上のスピードを出していることで、飛び石も巻き上げられて飛びやすいことが要因に挙げられます。

飛び石を巻き上げて飛ばしてしまった前方の車両も、走行中であり決して悪意があって後方に小石を飛ばしているわけではありませんし、単に道路を走行しているだけなので特に過失もなく、損害賠償などを依頼することも基本的には不可能です(トラックの荷台など積載しているものが後続車両側に落ちて、被害に遭った場合などは除きます)。飛び石の被害を受けたドライバーからすれば、どこに怒りをぶつけていい物か困ってしまいますが、傷ついたフロントガラスやボディについては、諦めて所有者が修理するしかありません。

中には「傷が小さいからと放置でいいか…」等と考える人もいるかもしれませんが、もしもフロントガラスにヒビが入ってしまった状態であれば非常に危険です。特に、外観からもわかるような大きさの傷が入っている状態であれば、車検に通らない可能性も高いでしょう。

フロントガラスに受けた小さな傷でも修理の必要がある?

高速道路を走行中に、突然「バチッ」と音が聞こえ、なんだと思った時にはフロントガラスに傷が入っている、これが『飛び石』です。走行中に突然飛んでくる小石などは、人間の目では見えませんし基本的に避ける事もできません。もちろん被害の程度は走行中の速度によって異なり、基本的に速度が60km以上になるとフロントガラスに傷が入ると言われています。時には、1個の小石でフロントガラス全面にヒビが入るなんて恐ろしい事もあるのです。
全面にヒビが拡がるなどであれば、修理するしかないと考えますが、フロントガラスの端の方に小さな傷が入っているだけであれば、特に修理など必要ないのでは…等と考えてしまう人も多いですよね。実際にレンタカーを借りた時などには、フロントガラスに飛び石による小さな傷が入っているなんてことも珍しくありません。
しかし、自動車が走行する時に受ける振動や風圧はバカにできるものではなく、最初は小さかった傷が徐々に拡大していく事もありますし、同じ場所にまた『飛び石』が当たってしまって、フロントガラスが走行中に完全に割れてしまうなんてことも考えられます。

飛び石による被害は、一見大した傷に見えない物ですが、そのまま走行してしまうと重大事故につながる危険性もありますので、早めに修理した方が良いでしょう。また、傷が小さいほど修理費用も安く済ませる可能性も高いので、出来るだけ迅速に修理することをおすすめします。

フロントガラスの傷が原因で車検が通らない可能性も

『飛び石』被害などでフロントガラスにヒビが入っている場合、そもそも車検が通らない可能性があることはご存知でしょうか?
自動車のフロントガラスについては、道路運送車両の保安基準第29条で以下の様に定められています。

2 自動車(最高速度40キロメートル毎時未満の自動車を除く。)の前面ガラスは、損傷した場合においても運転者の視野を確保できるものであり、かつ、容易に貫通されないものとして、強度等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。
3 自動車(被牽けん引自動車を除く。)の前面ガラス及び側面ガラス(告示で定める部分を除く。)は、運転者の視野を妨げないものとして、ひずみ、可視光線の透過率等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

引用元: 道路運送車両の保安基準【施行日: 令和三年一月二十二日】第29条 (窓ガラス)より

つまり、運転に支障があると考えられる傷やヒビがフロントガラスに入っている場合には、保安基準適応外だと判断され、車検が通らないのです。そのため、いくら自分が問題なく視界を確保できていると考えたとしても、車検の検査員に『適応外』だと判断されれば車検が通らないわけです。したがって、外観から明らかに傷があり、フロントガラスにヒビが入っている等がわかる様な状態であれば、車検を通すことが出来ないので、どちらにせよ修理しなければならなくなります。

飛び石で出来たフロントガラスの傷の修理はいくらかかる?

それでは、実際に飛び石によってフロントガラスやボディについた傷を修理する場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。もちろん理費用は依頼する先や、傷の程度によって異なりますので、ここで紹介する金額は参考に留めていただき、きちんと修理費用の見積もりを取る必要があります。

フロントガラスの飛び石傷が小さい場合の修理費用はいくら?

飛び石でフロントガラスに小さな傷がついた場合、早期に修理に出せば傷が広がることなく小さいため、そこまで高額な費用は掛かりません。小さな傷であれば、フロントガラスを交換するのではなく、ガラスリペアで修復可能だからです。

ガラスリペアで修理する場合、一般的な費用はおよそ15,000円~位かかると考えておきましょう。ただし、ガラスリペアで修理可能なのは上述の通り『小さな傷』の場合です。一般的には、500円玉(3cm)を超える様な大きな傷が入っている場合はガラスリペアでは修理することが出来ません。他にも下記のような傷は修理不可となることがありますので、参照してください。

  • ガラスリペアでは修理できない傷
  • 直径3cmを超える様な傷
  • 複雑な形状をした傷
  • サッシから近い位置(10~20cm程度)の傷※振動で割れてしまう可能性がある為
  • デフロスター風が当たる位置の傷※温度変化で再び割れる可能性がある為

フロントガラス全面交換の場合は高額費用がかかる?

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上記に上げたような、ガラスリペアでは修理不可能な位置にある傷の場合、フロントガラスの全面交換となります。因みに、ドライバーの目線位置に傷が入っている場合は、修理可能だとしても視界確保を理由に全面交換を勧められます。

フロントガラスの全面交換が必要になった場合は、もちろんですがその修理費用は高額になってしまいます。特に全面交換の場合は、カーナビやテレビのアンテナなども貼り直しになり手間もかかりますし、交換用のフロントガラスなど部品代も高額になりますので当たり前ですね。
フロントガラスの全面交換が必要になった場合、出来るだけ費用を抑えたいと言うのであれば、新品の純正のガラスを使用するのではなく、中古の純正ガラスを利用したり、JIS規格を通った社外品を利用すれば多少のコストカットは可能になるでしょう。一般的な修理費用は以下をご参照ください。

ガラスの種類修理費用 目安
純正ガラスを利用する場合約10万円~
社外品・標準ガラスを利用する場合約8万円~
純正・中古ガラスを利用する場合約7万円~

上記金額はあくまでも一般的な修理費用ですので、実際は近くの整備工場などにきちんと見積もりを取りましょう。

10万円以上の差が付くこともあります

車のボディについた飛び石傷の修理費用はいくら?

前述したようにフロントガラスについた飛び石傷は、傷のついた場所や傷の大きさ次第では道路運送車両の保安基準に満たないと判断されてしまうため、車検に通らない可能性が高くなります。しかし、車のサイドやバンパー等についた飛び石傷で、へこみや擦り傷がついてしまっても道路運送車両の保安基準の対象にはなりませんし、車検に関しても問題はありません。

車のボディについた飛び石傷は修理しなくてもいいの?

フロントガラスとは異なり、ボディの外装に飛び石傷でへこみや擦り傷が出来ても、車検に関わる道路運送車両の保安基準対象にはなりません。しかし、ボディの傷をそのまま放置してしまうと、傷口が錆びてしまったり、錆びて腐食してしまうことがあります。最初は小さく100円~500円硬貨程度のあまり大きくない飛び石傷だったかもしれませんが、放置してしまうと傷口から錆びて、大きな目立つ傷跡になってしまうことも考えられるのです。いつかその車を手放す時に売却しようとしても、ボディの塗装面に錆があると大幅なマイナス査定になることがあり、将来的に損をしてしまいます。ボディ外装面についた飛び石傷も早めの修理をしておくことをおすすめします。

修理箇所修理費用の目安(直径10センチ程度)
フロントバンパー10,000円~30,000円
フロントドア20,000円~35,000円
ボンネット30,000円~40,000円

ボディの飛び石傷は自分で補修できる?

ボディについた飛び石傷の修理は、大きさや傷の深さによっては自分ですることも可能です。2センチ程度の浅い傷なら、ボディカラーに合ったタッチアップペンを使用することで傷を埋めて塗装することが出来ます。タッチアップペンのポイントは、ボディカラーコードを見て塗装にあった色を購入する、使用前にボディ外装面の脱脂をする、一度に厚塗りせずに乾燥と重ね塗りの繰り返しを行う、元の塗装面よりも盛り上がった状態まで塗ってからサンドペーパーの研磨とコンパウンドで仕上げる、ということです。ただし、タッチアップペンはボディカラーによって、カラーコードを揃えても同じカラーにならなかったり、研磨方法次第ではボディに違う傷がついてしまうこともありますので注意が必要です。また傷の大きさ次第では、修理跡が目立ってしまうこともありますので、その場合は鈑金塗装を行っている修理工場やディーラーに修復見積もりをとってみることをおすすめします。

飛び石の修理に車両保険って使える?

また、上記の様な『飛び石』被害でフロントガラスの修理を行う場合、加入している車両保険は利用できるのかも考えてみましょう。
答えから言ってしまうと『使用できる!』です。飛び石による自動車のフロントガラスの修理費用は、「飛来中の他物との衝突」と考えられるため、エコノミー型、一般型どちらの車両保険でも対応可能です。ただし、注意が必要なのは、飛び石による自動車のフロントガラス修理に車両保険を利用すると、「1等級ダウン事故」として扱われるため、翌年は等級が下がり保険料が高くなってしまいます。飛び石被害は、元々「等級据置事故」として扱われていたのですが、2012年の10月1日の法改正以降は「1等級ダウン事故」扱いとなっています。本来1等級進むはずの保険が1等級ダウンとなるので2等級の違いが出てしまい、年額の保険料もそれなりに上がってしまいますので、車両保険を利用するかはよく考えましょう。保険を使用して修理するのではなく、車を売却して新しい車に乗り換え、保険の等級を引き継いだ方が年々お得になることもあります。

まとめ

今回は、高速道路を走行中に前方から小石が飛んでくる『飛び石』被害でボディやフロントガラスが傷ついた時、修理が必要なのか?またその修理費用はどの程度なのかをまとめてご紹介しました。

本稿でもご紹介している通り、『飛び石』でついてしまった傷は、まだ小さいうちに修理すればそこまで高額な費用が必要なく修理できますので、出来るだけ迅速に修理するようにしましょう。「小さな傷だからいいかな」等と考えて放置してしまうと、いつの間にか傷が広がって劣化がすすみ、さらに高額な修理費用が必要になる可能性も少なくありません。

ちなみに、今回ボディについた飛び石傷の補修時にご紹介したタッチアップペン等は、カー用品店やインターネット通販等で購入が可能です。ボディだけでなく、DIYでフロントガラスを修理できるようなガラスリペアキットも販売されています。車のメンテナンスで慣れている方や、手先の器用さなどに自信がある方は自分で修理することを検討しても良いでしょう。ガラスリペアキットは、安い物であれば1,000円以下で販売されているものもあるので、格安で修理することが可能になります。ただし、ご自身での修理は自己責任です。ボディのあまり目立たない小さな傷等は自分で直してみるのも良いかもしれませんが、目立つ大きな傷や、繊細なフロントガラスの修復をご自身ですることは、あまりお勧めできません。

また、年式が古い車や多走行車など、保険適用をしても修理費用までカバーが難しい場合があります。修理費用が高くて修理せず乗り換えるのであれば、廃車買取の無料査定を検討されてみてはいかがでしょうか。買取業者によってはフロントガラスに飛び石傷があって、車検が通らない車であっても買取が可能です。

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