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若者の車離れ最大の原因は?そもそも本当に”車離れ”しているの?

自動車のマメ知識

ここ数年のうちに「若者の◯◯離れ」という言葉をよく耳にするようになりました。時代とともに人々の価値観は変化していき、世代間によるギャップが生じることは今に始まったことではありません。しかし、自動車の分野においては近年急激に販売台数が落ち込み、中でも若者が車を購入する比率が劇的に減少していることは紛れもない事実です。しかし、若者が車を購入する比率が減少しているのは事実として、そもそも「若者の車離れ」は本当なのでしょうか。今回は根本的に考えられる原因と販売傾向を詳しく見ながら、「若者の車離れ」について考察していきます。

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若者の車離れの原因とは?

若者の車離れという言葉が生まれている以上、そこには何らかの原因があるはずです。車が爆発的に普及した時代と現代の環境を比較しながら、考えられる要因をピックアップしていきましょう。

必要性を感じない

特に都心に暮らす若者にとって、電車やバス、タクシーなどの交通機関は充足しているため、自動車を所有する必要性を感じられないという声は多いです。車を純粋な移動手段として考えたとき、必要な時に安価で最適な移動手段が用意されている都心においては、わざわざ自動車を所有するメリットは決して多くはないといえます。また、公共交通機関であれば自分自身が運転をする必要もなく、ただ座っているだけで目的地まで運んでくれるという点も大きなポイントといえます。電車やバスの中でスマートフォンを操作している人は多いですが、移動時間を有効に使いたいと考えたとき、自動車よりも公共交通機関を利用するほうがメリットは大きいと考えることもできます。

レンタカーの充実

自動車の販売台数そのものが減少傾向にある中、レンタカーは依然として根強い人気を誇ります。若者同士でキャンプや釣り、夏フェスなど、野外のレジャーに出かける機会は少なくありません。そこで駐車場を見てみると、「わ」ナンバーのレンタカーが停まっている光景をよく目にします。複数人がミニバンなどでやってきて交通費を浮かせるという方法は賢いやりくりといえます。

少子化や結婚に対する価値観の変化

車を購入するきっかけの一つとして、結婚や子どもの誕生があります。特に幼い子どもを抱えた状態で電車やバスを乗り継いで出かけることは、親にとっては大きな負担となるもの。そこでミニバンやワンボックスカーなど大きな車を購入し、家族の移動手段として利用するケースが多くありました。

しかし現在、若者の婚姻率は減少し、晩婚化にも拍車がかかったことで出生率も大幅に低下。結果として少子化が加速し、ミニバンなどの出荷台数にも影響が出ています。

結婚をして家庭を持つということが必ずしも幸せではないという若者が増えたことは、時代とともに価値観が変化している証でもあります。

最大の原因は経済的な問題

これまで挙げてきた原因をさらに掘り下げていくと、結論として「経済的な問題」に行き着きます。車を持つということは、車体価格の他にも燃料費や保険代、駐車場代などの高額な維持費がかかることを意味します。日本のサラリーマンの平均年収は下落傾向にあります。ここ数年は若干の上昇基調に転じましたが、それでも2000年代から1990年代の水準に戻るまでにはまだ時間がかかる見込みです。あれほど不景気だと叫ばれた時代よりも、さらに今の若者は苦しい生活を強いられています。趣味や遊びに回すことのできるお金はわずかであり、このような経済的負担の大きさが車離れに直結しているのだという意見は多くあります。このように、「若者の車離れ」という言葉の裏には、若者をとりまく深刻な経済事情が大きく関係しているということが推測できます。

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車に対する価値観の変遷

経済的な問題や少子化といった物理的な問題の他にも、車そのものに対する価値観が変化してきていることも注目すべきポイントです。時代とともに車に対する考え方は変化してきましたが、この変遷を知ることによって若者の車離れのもう一つの要因を垣間見ることができます。

所有することがステータスであった時代

自動車が市販開始となった昭和初期から中期にかけては、若者にとって自動車は憧れの存在でした。現在ほど数多くの車種は存在していませんでしたが、自動車を持っているということ自体が一つのステータスでもありました。当時の多くの若者にとって自動車とは、目で見て楽しんだり、雑誌やカタログの写真を集めたりすることを趣味にしていることが珍しくありませんでした。「乗る」という行為そのものではなく、憧れの存在であるが故に見て楽しむことが主流の時代だったのです。

趣味として楽しむ時代

昭和の後半から平成にかけて、自動車は大量生産の時代に突入します。魅力的で個性的な車が続々と登場し、多様性のあるラインアップによって自動車市場は飛躍的に活性化しました。同時に、自動車を単なる移動手段として考えるのではなく、より個性的で存在感のある乗り物として考える若者も多く現れました。スポーツ志向、オフロードが得意なクロカン、ラグジュアリー指向の高級セダンなど、乗る人の好みによって多様な自動車が受け入れられた時代です。

いわゆる名車とよばれる車種が多く登場したのもこの時代で、今もなお中古車市場において人気の車は多く存在します。

移動手段としての役割

嗜好性の高い車が若者に受け入れられた時代が過ぎると、移動手段としての性能が重視されるようになりました。いわば原点回帰ともいえるもので、環境性能を意識したハイブリッド車やエンジンサイズを小さくしたダウンサイジングなどが一般的となり、よりコストパフォーマンスの高い車が求められるようになったのです。

経済的で実用性にも優れた車作りは幅広いユーザーに受け入れられた一方、それまで嗜好性の高い車を好んでいた若者にとっては期待を裏切る形になってしまいました。しかし、車に限らず若者の価値観は多様化し、どのような製品を作れば売れるのかが一概に判断することが難しくなってきました。インターネットやSNSの発達にともない、予想もしなかったものが爆発的に人気になるということは日常茶飯事です。車作りに当てはめてみても、若者のニーズは細分化しているが故に昔のような「ヒット車」が生まれにくい傾向にあります。

若者のクルマ離れは本当?

いつの時代も若者の心を掴んで離さなかった車。時代が変わったといえ、果たして現在の若者にとって車は本当に「オワコン」な存在なのでしょうか。若者のクルマ離れは本当なのか、改めて検証していきます。

自動車に興味がある若者は決して少なくない

自動車を所有していなくても、自動車という乗り物そのものに興味を示す若者は少なくありません。特に次世代を感じさせるスポーツカーや、今までになかった個性的なスタイリングの車など、若者をワクワクさせてくれるものは今も昔も共通であることが分かります。トヨタが2012年に発売した「86」は、若者にとっても手が出しやすい価格帯であったことから話題を集め、一躍人気車種へと躍り出ました。まさに若者が求めるニーズと車のコンセプトがマッチした結果といえます。

若者に人気の車種もある

若者の車離れが叫ばれ、自動車業界は全体的に暗いムードに包まれています。そんな中に登場した車種の中にも、若者に人気を誇る車があります。

2014年に発売されたスズキ ハスラーはSUVのテイストを感じさせるワンボックスタイプの軽自動車として瞬く間に人気車種となりました。また、2018年に復活したスズキ ジムニーは、往年の角ばったボディ形状が特徴的。古さを感じさせない個性的なデザインに進化し、使い勝手の良さと本格的なオフロード軽自動車として若者に支持され始めています。

軽自動車やコンパクトカーが人気

維持費の安さや使い勝手の良さ、運転のしやすさなどを考慮したとき、軽自動車やコンパクトカーは根強い人気を誇ります。特に若いオーナーにとって、保険料は高額になりがちです。軽自動車やコンパクトカーは比較的保険料も安く、維持費の節約にも繋がるためおすすめです。

新しい時代の車の楽しみ方

車を楽しむためには、車そのものを所有する以外の方法もあります。新しい時代に対応したサービスは、これまでにない自動車の需要を喚起し、違った魅力を引き出してくれます。

カーシェアリング

カーシェアリングとは、他のユーザーが所有している車を不特定多数のユーザーに貸し出す仕組みです。レンタカーと似ていますが、レンタカー会社が貸し出すのではなく、あくまでも個人同士で車を共有(シェア)するという違いがあります。都心部を中心にカーシェアリングサービスは増えており、憧れの高級車にも手軽な価格で乗ることができます。

ライドシェア

ライドシェアとは一般ユーザーが自身の車を使い、運転手として目的地まで運ぶ仕組みです。日本国内ではまだ法律が整備されておらず利用することができませんが、海外ではアメリカを中心として盛り上がりを見せています。ライドシェアのプラットフォームとしてはUberやDiDiなどが有名で、日本においても今後タクシーに代わる移動手段として大きな期待を集めています。ユーザー側のメリットとしては、タクシーに比べて安い料金で利用することができる点と、さまざまな自動車に乗る楽しみを味わうことができる点が挙げられます。

まとめ

自動車の販売台数という面で見ると、確かに若者の車離れという言葉は間違っていないといえます。しかし、車を楽しむということは必ずしも「所有する」ことだけに限ったものではありません。また、車そのものに対する関心がなくなったわけではなく、個性的でインパクトの強い車は依然として人気であることを考えると、これまで以上に嗜好性が幅広くなったことを証明しているといえます。

経済的な問題や価値観の変化など、さまざまなマイナス要因がクローズアップされがちですが、だからこそ次の時代を見据えた若者のニーズを探っていくことで自動車業界の復活は見えてくるのではないでしょうか。

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