2017年に、トヨタが自社の全車種の電気化を明言しました。電気化というのは、すべての車種をEVにするというわけではなく、”ハイブリッド化または電気自動車化”を意味しています。

ドライブレコーダーや自動ブレーキなどの新技術は別として、ガソリンエンジン車⇒電気自動車への移行は、動力源の変化に過ぎません。電気自動車はガソリン車と比較すると静かですし、加速性も高いですが、”モノ”として、本質的にはエンジン車と変わりはないと言えるでしょう。

しかし、車の電気化とは別の領域で注目されているのが、車とIoTです。
今回は検討されている様々な計画などを交えながら、車とIoT、未来の”車”について解説いたします。

“IoT”の簡単な定義紹介

IoTをまずは簡単にご紹介します。IoTとは、「Internet of Things」の略で、日本語では”モノのインターネット”と略されています。ただし「Wi-Fiでネット対戦できるコンソールはIoTなのか」などを考えていくとIoTとはなんなのか曖昧になってしまうので、定義や言葉の適応範囲にこだわる必要はありません。

例えば、監視カメラをスマートフォンのアプリで見れるのも、IoT化の一つです。面白い活用例だと、街中のゴミ箱にセンサーを設置し、収容スペースに余裕があるかどうかを把握し、ゴミの集積のコストカットを図っている事例もあります。

2018年現在における、自動車業界のIoT活用事例

走行データ保存…自動車保険会社へ走行終了後送信

車のIoT事例として、もっとも有名なものの一つは自動車保険業界へのデータ送信ではないでしょうか?安全運転なのかどうか、車に負担をかける運転をしていないかどうか判断してくれます。

この分野で一つ例を挙げると、セゾン自動車保険の「つながるボタン」が有名です。データの保存と送受信だけでなく、事故の際につながるボタンを押せば、現場にALSOK隊員が駆けつけてくれることになっています。

複数車両のデータを一元管理…管理コスト削減とコンプライアンス強化

車にデバイスとSIMカードとアプリケーションを導入すれば、車からのデータを一元管理できる「Cariot」というサービスが登場しました。主に物流業界で利用されており、運転手も「見られている」という意識が発生し、事故の軽減が期待できるといわれております。

また「Cariot」は協和物産やアサヒ飲料、東急建設などが導入しており、信頼度は十分といえるのではないでしょうか。

車の”状態”を常に把握…故障と故障の前兆にいち早く気づく

テスラモーターズは、自社生産の車を全てインターネット上で管理しています。これにより、パーツが故障する前に交換を促したり、利用者と積極的にデータを用いてコミュニケートするなどして活用されています。

いつかはこれも自動化されるかもしれませんが、もうしばらくは人的なサポートが続くでしょう。

IoTと「IT補助金」

零細・中小企業ならば、様々な補助金・助成金の利用を考えるかと思いますが、IT補助金はなかでも利用率の高い補助金の一つといわれております。2018年の1次募集の際には、推測ですが採択率が80%を超えていたと言われています。ただし、だんだんと採択基準も厳しくなっており、3次募集の際には20%の採択率になりました。

会社のペーパーレス化が政府主導で推進されていることもあり、また新たに予算を組みおなした、IT補助金第2弾の募集も予想されているそうです。
中小企業の車両管理にIoTを活用する場合も適用できるかと思いますので、興味のある方は一度検討してみても良いでしょう。

カーシェアリングとIoT ― 「Car2Go」のケース

現代に至るまで、車というのは”所有するもの”というイメージがほとんどでした。しかし、世界各国でその流れが変わりつつあります。ドイツのダイムラーは、カーシェア事業として「Car2Go」を展開しています。全世界でおよそ300万人が利用しているとダイムラーは発表しており、2016年から2017年にかけて、ミラノでは67万回、北京では62万回も利用回数が増えるなど好調です。

「Car2Go」のすごい点は、乗り捨てが可能なところです。しかしそれ故に、日本での導入は厳しいと予想されています。

「Car2Go」の日本導入へのハードル

日本でも、「カーシェア」事業は活発化していますが、北京やミラノ・ベルリンほどではありません。以下にその理由をご説明いたします。

路上駐車が禁止されている

路上駐車に関して厳しいルールがある国・地域では、「Car2Go」はそのまま導入できません。駐車場に止めてもよいのですが、それでは採算は取れないでしょう。特定の場所ならば乗り捨てできるカーシェアサービスなら日本にありますが、手軽に乗り捨てできないとレンタカーとあまり違いはないと考える方もいるでしょう。

タクシーの普及

「Uber」などの配車サービスが普及しない理由でもありますが、日本ではタクシーが普及しています。電話あるいはアプリですぐに到着しますし、車内の清潔さや運転/接客の質も世界基準で見れば高いレベルにあるそうです。

「Car2Go」の平均利用時間は30分であり、街中を車で少し移動したい人たちに利用されています。カーシェアのライバルは平均で6時間以上利用されているレンタカーではなく、タクシーとなるのではないでしょうか。

駐車環境/路駐環境が厳しく、タクシーが普及している日本では、「Car2Go」の普及は難しいと見られています。

車と未来 ― 車を所有しない時代 ―

先程、「Cariot」というサービスが、アプリとデバイスを導入した車のデータを把握し、一元管理してデータ化していると述べましたが、これにテスラなどの自動運転化技術を組み合わせれば、どうなるでしょうか?

モノレールは自動運転が多いですが、それが車にできないとは限りません。GM(ゼネラル・モーターズ)の副会長であるボブ・ラッツ氏は「20年後に車を所有している人はいない」と語っています。

未来予想は外れるのが常なので、自動車業界の重鎮だからといって真に受ける必要はありませんが、少なくとも街中での低スピードによる段階から徐々に進んでいくことでしょう。

中国上海の安亭地区で、国家主導で都市ごと自動運転化しようという計画があります。この都市の大きさは約100平方キロメートルです。計画は少し遅れていますが、もしこの都市計画が成功すれば、都市のインフラごと世界各国に輸出することが予想されます。

この中国の都市計画は、インフラがまだ整備しきれておらず、なおかつ個人の権利より都市計画などをある程度優先できる国でないと進行できません。Googleなどは、インフラに頼らない自動運転化を推進していますが、完全にインフラに頼らず自動運転都市をつくるとなると、いつまでかかるか分からないという考えもあるそうです。

各社それぞれ目指すところは一緒で、レベル5(どこでも自動運転でいける自動運転車)車の完成です。手動車はサーキットなどで娯楽遊具として生き残るでしょうが、レベル5の自動車の普及後は、手動車は街中を走れなくなるのではないでしょうか。人が運転する以上、事故の確率は常に発生するからです。

まとめ

自動運転の”レベル”は、アメリカの自動車技術会により、0から5まで大まかに定義されています。

  • レベル0…手動
  • レベル1…電子機器が補助的に活動する
  • レベル2…一部で自動運転できる
  • レベル3…場所や速度など条件は有るが、自動運転できる
  • レベル4…広範囲にわたり、自動運転できる
  • レベル5…どこでも自動運転で行ける

現時点で安全性などに疑問はありますが、2018年現在自動運転車はレベル3の状態です。世界中の車メーカー、IT企業などがこぞって開発に取り組んでいます。あと数年でどこまで進歩するのか楽しみですね。