2018年現在、自動車売上のおよそ4割を占める軽自動車。一般的に軽自動車のデメリットとして、「危ない」「事故の被害が大きい」などと言われています。

今回は、軽自動車が本当に危ないのか、衝突事故に弱いのかどうかを解説します。

軽自動車と普通自動車の違い

まずは軽自動車と普通自動車が、どう違うのかを解説していきます。

軽自動車は普通自動車とは明確に区別される車種で、定められた基準以下の規格の車の事を指します。基準を満たしており、かつ特殊車両のような改造が行われていなければ、基本的には1ボックスであろうと3ボックスであろうと、軽自動車としてひとまとめにされます。

軽自動車と普通自動車の最大の違い

軽自動車と普通自動車の最大の違いは、あらゆる「大きさ」です。

軽自動車は、車体のサイズはもちろん、排気量などをはじめ、あらゆる要素が普通自動車以下に抑えられています。

軽自動車の基準は、「全長3400mm・全幅1480mm・全高2000mm以下」で、排気量は660cc以下、最大乗員数4人、貨物積載量350kg以下」となっています。

このいずれかをオーバーしている場合は軽自動車としては認められません。

他にも軽自動車と普通自動車の異なる点として「ナンバープレート」が挙げられます。

通常ナンバープレートは白地に緑色の字で書かれていますが、軽自動車のナンバープレートは黄色地に黒色で書かれています。そのため車のことがよくわからないという人も、ナンバープレートを見れば普通自動車か軽自動車か判別できます。

また、最新のモデル同士で比較した場合、基本的に軽自動車はスペックが低くまとまっています

積載量は上限が定められているため当然ですが、走行性能に関してもサスペンションなどの足回りは同じものを採用できたとしても、排気量が定められている以上馬力にも限界があります。サイズが小さい分軽く、その分エンジンスペックを活かせはしますが、それでも普通自動車と比べて坂道で遅いと感じる程度には、違いはハッキリ感じられます。

軽自動車を選ぶメリット

普通自動車よりも性能が低いのであれば、わざわざ軽自動車を選ぶ必要は無いのでは?と思う方もいるかも知れません。しかし、軽自動車を選ぶメリットはあります。

費用面

基本的に軽自動車は安く、また維持費も普通自動車より格段に安くなります。本体価格はもちろんのこと、燃費が良く税金がとても安いのです。

ざっと比較するだけでも、自動車取得税は普通自動車が5%で、軽自動車は3%です。

1年間の自動車税も普通自動車が最低でも29,500円に対し、軽自動車は7,200円か10,800円。

自動車重量税に関しても、軽自動車の方が軽いため、軽自動車は3年分で9,900円。対して普通自動車は、一例として1.5トンの場合、自動車重量税は3年分で36,900円になります。

最後に自賠責保険。これはあまり大差ありませんが、それでも37ヶ月分を比較する普通自動車が40,040円で、軽自動車が37,780円です。これだけでも十分に軽自動車を買う理由になります。

操作性

他にも、小回りが利くこともメリットの一つとしてあげられます。

普通自動車よりも、更に小型のため細い道路でも走行することができ、重量が軽いため反応性能も良く、総じて市街での運用に適しています。

アウトドアなどには向かないものの、日常生活で乗る分には圧倒的に安い上に最低限必要な性能を揃えているというのが、軽自動車の最大の特徴にして購入理由であるとも言えます。

軽自動車のデメリット

さて、ここまでは軽自動車の良い所だけを取り上げて解説しましたが、当然ながらメリットずくしの完璧車両というわけではありません。軽自動車には色々なメリットと同じように、相応のデメリットも存在しているのです。

パワー不足

まず1つ目は「パワー不足」であるということ。

最新鋭のモデルであれば、普通自動車と比較しても肉薄する程度の性能を備えているものもありますが、それを上回る性能を発揮することはできません。

軽自動車の多くはパワーが不足しており、一人乗りで市街地運転であればさほどパワー不足を実感することはありませんが、坂道を登ったり、4人乗りでエアコンをつけた上で荷物を満載した状態ともなれば、スペック不足を実感することになるでしょう。

パワーに余裕が無いからこそ、乗車状態によって走行性能が変化してしまいます。結果的に車体が安定しないというのはデメリットと言えるでしょう。普通自動車だと、荷物を積載することで若干重く感じる事はあっても、基本的には動力性能に余裕があるため、軽自動車ほど目に見えて走行性能が変化することはありません。

燃費こそ良いとは言えるものの、エアコンをつけたり4人乗せたり荷物を積み込んだ状態での実用燃費は普通自動車に劣ることも多く、また長距離長時間運転だと揺れの関係で疲れやすいです。

軽い

次に「軽い」ということ。

軽さというのは速度に直結する要素であり、軽いものはそれだけ動かすために必要なパワーが少なくて済むため、メリットにもなります。しかし、軽いということはそれだけ重量になるものが無いという意味であり、また外からの衝撃で動きやすいという事でもあります。

軽い物と大きい物が同じ速度でぶつかった場合、どちらの方が強い衝撃を受けるでしょうか?

軽い方です。軽自動車と普通自動車が衝突してしまうと、軽自動車の方が吹き飛ばされたり、そのまま押し出されてしまう事があります

上記の通りパワーに関しても劣る部分が多いため、「押し負ける」のです。更に、軽い分止まりにくく、ぶつかった衝撃で吹き飛び、高い所から墜落する事態も発生しやすくなっています。

軽自動車は衝突事故に弱い?

前述の通り、軽自動車は衝突事故に弱いと言えるでしょう。

まず自動車の衝突事故の際に重要な要素となるのは、車のボックス構成と速度、そして重量です。

ボックスとはエンジンルーム・キャビン・ラゲッジスペースの事で、それぞれ独立しているのであれば3ボックス、キャビン内に収まっていれば1ボックス、エンジンルームだけ独立しているのであれば2ボックスという風に表します。

エンジンルームとラゲッジスペースは衝突の際に衝撃を受け止める役割があり、エンジンルームが無ければ運転席へ直に衝撃が伝わってしまうのです。

衝突の際にどれだけ衝撃を発生させるかは、速度によって変わってきます。遅ければ遅いほど衝突時の衝撃は少なく、速ければ速いほど衝突時の衝撃は大きくなります。これは衝突された側もした側も同じで、高速で衝突されれば、こちらが止まっていても大きな衝撃を受けることになり、ものすごい速さで衝突すれば相手だけではなく自分も大きな衝撃を受けてしまいます。

そのため、大きな事故を引き起こさないように道路には速度制限標識が存在しているのです。

また、基本的にパワーというものは速度と重量によって算出されます。軽いものがゆっくりとした速度でぶつかっても大した衝撃は生まれません。重いものが高速でぶつかれば、固いものを破壊するほどの衝撃が発生します。

軽自動車が衝突事故に弱い理由が、この重量の部分です。

技術の発展で、走行性能に関しては普通自動車と比較して遜色ない物になってはいます。しかし重量に関してはむやみに重くすることはできません。排気量660cc以下に限定されている軽自動車は、普通自動車よりも走行性能に大きく重量が影響します。重くすればそれだけ動かすのに大きなパワーが必要です。大きなパワーを生み出すエンジンはそれだけ排気量が多くなります。

しかし、軽自動車は660cc以上のエンジンは詰めません。

車の存在意義というのは、移動手段としての優秀さ・速さに他なりません。徒歩よりも、自転車よりも速い。電車には負けますが、それでも限られた場所しか走れない電車と異なり、道さえあれば車は走る事ができます。

最低限市街地での速度制限ギリギリの速度を出せるのであれば、不満はあれど車を運用するのには十分だと言えます。しかし、速度制限以下の速度しか出せず、徒歩や自転車の方が速いともなれば、いよいよ自動車である必要が積載量くらいしかなくなります。車体自体を重くすれば自動車重量税も増えるため、軽自動車のメリットである維持費の安さにも影響します。

そういった面で軽自動車は軽くなければならず、結果として軽自動車より重い普通自動車よりも衝突事故に弱いという結果に繋がっているのです。

まとめ

以上、軽自動車はなぜ衝突事故に弱いのか解説致しました。

自動車の保安技術の発展により、昔よりも事故に対する危険性は改善してはいるものの、未だ軽自動車が普通自動車よりも衝突事故に弱いという点は変わりません。

しかし、軽自動車は排気量が制限されており、事故に対して強くしようと車体を重くしてしまうと、運転性能が損なわれてしまうため重量も限られます。軽自動車の事故に対する脆弱性を完全に解決する事は難しく、軽自動車に乗る時は、衝突事故に一層気を使う必要があるでしょう。