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車は災害時の非常用電源になる?車から電源をとる装置の使い方を解説!

自動車のマメ知識

夏になるとゲリラ豪雨や台風など、気象状況により災害が発生することがあります。とくに鉄砲雨などで急に用水路や河川が増水すると、道路や住宅地まで冠水してしまう危険性があり、避難を余儀なくされることも少なくありません。また、災害によっては停電が発生することもあります。

災害時に不安になるのが電源問題です。緊急時には、スマートフォンや携帯電話で救助を要請をすることもありますし、安全を確保できたら災害用伝言ダイヤルや災害用伝言版を使用して、離れたところに住む家族の安否確認をすることもあります。そのような時に電源設備に不安があると、バッテリーの充電はいつまで持つのかと心配しなくてはいけません。

こちらでは、自動車は災害時の非常用電源として使うことができるのか、詳しく解説します。

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災害時の対応について

【気象状況によって災害が発生する危険がある】と自治体や気象庁等が判断をすると、お住まいの方に対して防災気象情報が提供されるようになっています。

警戒レベルによって避難が必要

防災気象情報とは、気象庁や河川・砂防部局等が、気象状況による警報等と、避難行動が必要になるかどうかを警戒レベルを5段階に分けて明記した情報により、住民へ自主的な避難行動を促す防災情報のことです。警戒レベルは数字が大きいほど危険度が高くなっています。地元の自治体による避難指示の発令よりも先に、気象防災情報と警戒レベルが発表されることが多いため、情報を得てできるだけ早くとるべき行動へ移れるように情報が提供されています。令和3年5月19日までは、とるべき行動として【避難勧告と緊急避難指示】の二つが警戒レベル4相当までとされていましたが、同年5月20日より【避難勧告は廃止】となり、警戒レベル4相当で【避難指示、必ず避難行動をとる】へと変わりました。

警戒レベル気象防災情報とるべき行動
5相当大雨特別警報
氾濫発生情報
命の危険があり、ただちに安全確保が必要な状況。今いる場所よりも安全な場所へ直ちに移動等を行う。
4相当土砂災害警戒情報
氾濫危険情報
高潮特別警報
高潮警報
危険な場所から全員避難。自治体からの避難指示の発令に留意し、避難指示がなくても危険度分布情報や河川の水位情報を用いて自ら避難の判断を行う。
3相当大雨警報(土砂災害)
洪水警報
氾濫警戒情報
高潮注意報
危険な場所から高齢者等は避難。自治体からの高齢者等避難の発令に留意する。
2相当氾濫注意報
大雨注意報
洪水注意報
高潮注意報
自らの避難行動を確認する。ハザードマップ等により災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認する。
1早期注意報情報災害への心構えをする。最新の防災気象情報等に留意する。
参考:気象庁(防災気象情報と警戒レベルとの対応について)

災害時の安否確認の方法

災害時は被災地への通信が増加するため、つながりにくい状況になってしまうことが少なくありません。このような災害時の安否確認のために、電話やインターネットを利用することで離れた被災地の家族の安否確認を行える災害用伝言ダイヤル(電話)と、災害用伝言版(WEB)がNTT東日本・NTT西日本から無料で提供されています。

災害用伝言ダイヤルの利用方法は、被災地にいる人が被災地外の家族や友人等に安否を伝えるため【171】にコールし、30秒迄録音を残すことができます。被災地外の人は171にかけて、被災地にいる人の電話番号を入力すると録音された声が再生されて、安否を確認することが可能になります。また、スマートフォンや携帯電話、インターネットを利用して災害用伝言版(Web171)に登録し、電話番号をキーとして登録内容を家族や知人が確認することが可能になっています。

※災害用伝言ダイヤル、災害用伝言板は地震等の災害発生時に、被災地の方の安否を気遣う通話が増加し、被災地への通話が繋がりにくい状況になると提供されるサービスとなっており、常時設置されてはいません。

車から災害時に電源をとることはできる?

日本政府が掲げる2035年までに電気自動車の普及率100%の目標を目指して、各自動車メーカーが電気自動車の開発や販売に力をいれていることもあり、近年電気自動車の販売台数は増加傾向にあります。日本自動車販売協会連合会による電気自動車の年度計燃料別販売台数(乗用車)は、2022年4月から2023年3月までで35,559台、前年比147.2%となっていました。こちらでは、災害等の非常時に外部からの電源供給ができる車として注目されている電気自動車について、詳しく解説します。

電気自動車のコンセントを使用して外部へ給電

電気自動車の多くは、車内にアクセサリーコンセントがついています。アクセサリーコンセントに使用できる電力はAC100V/1500W対応が主流で、AC100Vで消費電力の合計が1,500W以下の電気製品であれば、使用することができます。アクセサリーコンセントを普段から使用する人は、走行中のスマートフォンの充電等やノートPCなどの充電などに使用することが多いようです。しかし、非常時給電システムが付いているアクセサリーコンセントであれば、走行機能を停止した状態であっても外部への給電が可能となりますので、停電が発生し家庭に必要な電力源として利用したり、アウトドアでの食事の準備などにも使用することが可能となっています。

外部給電が可能な車というと、電気自動車だけではありません。しかし、バッテリー容量の大きい電気自動車と比べると、外部給電はできるもののプラグインハイブリッド車とハイブリッド車のバッテリー容量は少ないため、大型家電や消費電力が大きい家電を何度も繰り返し使用することは難しいでしょう。

電気自動車で非常時に外部給電する方法

まず、電気自動車から外部へ給電する時には、電気自動車のバッテリー容量を確認し、どの程度電力が充電されているかどうか確認が必要です。例えば日産自動車の電気自動車リーフの場合、自宅に充電設備を設置していれば夜22時から次の日の朝8時まで充電すると、ほぼ満充電まで充電量が回復します。現行モデルの日産リーフ60kWhバッテリー搭載車は、一充電で450km(WLTCモード)の走行可能とカタログで試算されています。一般家庭での一日当たりの使用電力量を約12kWhとして試算すると、日産リーフ60kWhバッテリー搭載車があれば、約4日間生活することが可能という計算です。リーフには40kWhバッテリー車もあるため、リーフの非常時に給電できる電源量の平均は2~4日間となります。

家庭に電気自動車から給電する方法として、リーフtoHOMEのようなV2H(Vehicle to Home)という充放電器の設備が必要不可欠です。V2Hは基本的に充電と放電を同じコネクタから行います。電気自動車には、ガソリン車の給油口の代わりに充電ソケットがあり、蓋を開けるとコネクト口に差し込めるようになっています。家と車の充電ソケットの間にV2Hという充放電器設備があることで、車に充電した電気を家庭で使えるようになります。V2Hを設置している家庭では、普段から比較的電気代が安い夜間に車の充電を行い、昼間は夜間に充電した車の電力を家庭で使用するといったことが可能なため、電気代の節約ができる仕組みとなっています。また、災害時に停電が起こってもV2Hの設備があれば、電気自動車に充電されている電力で2~4日程度は必要な電力を賄うことが可能です。ただし、V2H設備には、設備本体の他基礎工事等の電気工事等も必要となり、初期設備に約115万円以上かかるとされています。

V2H充放電設備・外部給電器の購入費と設置費には、個人や法人に対し国の補助金の交付がありましたが、令和5年5月22日(月)到着分を持って申請受付は終了しています。

日産リーフのように、大容量バッテリー内に充電した電力を給電することができる車種は、トヨタのMIRAI(燃料電池自動車)やbZ4X(電気自動車)があります。日産ではリーフの他にアリアや、軽自動車のサクラも外部給電(別途車と充放電器をつうなぐものが必要)ができる仕組みともっています。

車のアクセサリーコンセントで非常時に給電する方法

実は電気自動車を多くラインナップしている日産自動車のリーフやサクラ、アリアにはDC外部給電装備があるものの、非常時給電付きアクセサリーコンセントの機能はついていません。現在販売中の非常時給電機能付きアクセサリーコンセントを搭載した車種のなかでも、バッテリー容量の大きいおすすめの車種というとプラグインハイブリッド車のトヨタRAV4や、電気自動車のトヨタbZ4X・スバルのソルテラがあります。アクセサリーコンセントは、AC100V/1500W以下の電気製品に使用が可能です。冬季など寒い季節の非常時であれば、電気ストーブや電気ケトルにも使用ができますし、扇風機なども使用することができます。走行中でなくても使用出来るため、避難中や災害時にもアクセサリーコンセントで家電を利用したり、スマートフォンの充電をすることが可能です。

まとめ

こちらでは、非常時に車から電源をとることができるのかについて詳しく解説しました。電気自動車から非常時に電源をとるには、V2H(Vehicle to Home)もしくはVTL(Vehicle to Load)の設備があれば、直接大容量の電源を取り出すことができるため家庭の電力まで給電が可能です。しかし、V2HやVTL初期設備に多額の費用が必要となっています。

電気自動車だけでなく、プラグインハイブリッド車やハイブリッド車といったモーターを車内にもつ車であれば、アクセサリーコンセントをもつ車種が多くなっていて、特に非常時給電機能付きのアクセサリーコンセントを搭載している車であれば、被災時にも活用がしやすくなっています。

ハイブリッド車を所有していても、いざ非常時になるまで非常時給電機能アクセサリーコンセントを利用したことがなく、走行中以外にはどうすれば使用できるかわからないという方も多いでしょう。突然の災害時に備えて、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車を所有しているという方は、所有する車に非常時給電機能付きアクセサリーコンセントは搭載があるのか、搭載されているのであればどうすれば使用できるのか等確認しておくことをおすすめします。

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