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駐車場も事前予約の時代!最近話題の駐車場シェアサービスとは?

自動車のマメ知識

観光地、あるいはイベント時などは、自動車を停めるのに一苦労しますよね。完全に駐車場が埋まっていることはなかなか無いでしょうが、イベント価格で最大料金なしの使用料を払わなければならなかったり、コンサート終わりの広い駐車場だと、出るのに何時間もかかったりします。

Hotels.comの調査によれば、日本人の73%はインターネットを経由しホテルを予約しています。それに比べると、ネット予約が当たり前の時代になった現在でも、自動車のシェアリングは拡大しているとはいえ、まだまだ利用率は低めだといえます。

そこで今回は、ネットワークシェアサービスにおいてカーシェアリングよりも最近話題の駐車場シェアサービスに関してご紹介いたします。

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駐車場シェアサービスとは

たとえ異分野であっても、ビジネスのアイディアのほとんどは先例を模倣したものです。近頃さまざまな分野に広がっている「シェアサービス」は、1980年代にスイスで公共交通機関を補完するために車をシェアし始めたのが元祖といわれています。カーレンタルサービスとは違い、予め利用者として登録された人物しか使用できず、短い距離または短時間での利用が主立っています。

日本でも1988年には同様のサービスが発足したようですが、タクシーが多く街中を走っていることや、「車は所有するもの」という概念が強いこの国では、定着することはありませんでした。また、2018年現在でも、カーシェアが日本に流行する兆しは見えません。

流行の兆しが見えにくいカーシェアサービスとは違い、従来のビジネスモデルである「コインパーキング」を、「駐車場シェアサービス」は劇的に変えつつあります。パーキングとは会社が土地を所有管理し、駐車場として貸し出すものですが、駐車場シェアサービスとは個人がもつ余った土地などを、ネットに登録し、駐車場として貸し出すものです。

サービスを提供する会社にもよりますが、基本的には1台スペースから貸し出し可能で、休日のみの貸し出しや、平日のみの貸し出しも可能となっています。

なぜ駐車場シェア市場は活発化しているのか

駐車場

「タイムズ」を運営するパーク24株式会社や、三井不動産、楽天グループなども次々と駐車場シェアサービスへの参入を表明しています。駐車場シェアそのものだけではなく、「駐車場予約アプリ」の開発と合わせ、トヨタグループも参入を2018年5月に表明しました。

なぜこれほどまで市場が活発化しているのでしょうか?様々な理由が考えられますが、主だったものをピックアップします。

1.路上駐車の罰則厳格化

ネット発のアプリ/サービスは、どんなジャンルであれアメリカから発信されるものがほとんどです。Facebook、Airbnb(民泊サービス)、Netflix、Uber……。しかし、現在駐車場シェアの最大手である「akippa」は、日本初のサービスです。

これは、アメリカではそもそも路上駐車がそれほど取り締まられておらず、そのまま停められる道路も多いほか、治安の関係で路地裏で運営さている個人駐車場などは利用されないためです。そもそもの道路の車幅が広いアメリカでは、駐車する場所に困ることはないため駐車場シェアサービスは隆盛しなかった模様です。

それに対して、日本の都市部などでは、お昼時などだと止める場所すらなかったりする上に、道路においては監視員が常時巡回していて駐車違反の取り締まりもかなり厳しいものがあります。そのため、駐車場シェアサービスは近年人気を博しています。

2.参入障壁の低さ

駐車場シェアサービス自体のシステムは、それほど難しくありません。まず、遊休スペースを駐車場として貸し出してくれる個人または法人を募り、サイト上に登録させ、駐車場として公開します。そして、「借りたい」という人にネット上から送金させ、手数料を運営費として徴収するだけです。

民泊サービスが問題化したのは、法規制が元々存在し、なおかつ既存の住民から民泊利用者への苦情が相次いだためです。また、民泊利用者と貸し出す方がともに身元が不確かであり、犯罪の温床になることも危険視されています。

それに比べ駐車場貸し出しは、免許も許可もいりません。必要になるのは貸し出しによる収益の確定申告などでしょう。また、民泊あるいはUber(配車サービス)などと違い、人が介する部分が少ないため心象を毀損することが少なくブランドイメージを損なう要素が少ないこともサービス乱立に一役を買っているでしょう。

3.「土地を少しでもお金に変えたい」という人々の存在

会社運営のパーキング駐車場は、一部の施設併設タイプを除き赤字では運営を維持できません。それに対して、駐車場シェアサービスの強みは、土地の黒字運営を目的とはしていないことにあります。

例えば、それまで車を2台所有していたが、1台は車庫に眠っていることが多かったため、眠っている1台を処分して家庭内で車を1台共有することにした家族がいるとします。当然、1台車を止めるスペースが空きますよね?

akippaや軒先パーキングは、「土地を遊ばせておくくらいなら、儲からなくてもいいので誰かに貸したい」という人と、「駐車場を安く借りたい」という人をつなぐサービスでもあります。100%ではありませんが、駐車場シェアサービスの利用料金は、同エリアを利用する際の3割から4割ほどに設定されています。

駐車場経営だけを目的にしているのならば、成立しにくい価格設定であり、遊休用地の活用や小遣い稼ぎ的要素が強いサービスとなっています。

4.「収容台数1台」から貸し出すことができる柔軟性

まれに収容可能台数が2台しかない駐車場がありますが、一般的には駐車場というのは基本的にどれだけ小さくとも5台は収容できます。

一方で駐車場シェアサービスならば1台から駐車場として登録できるようになり、それまでタイムズなどの手が届かなかったエリアでもサービスを提供できるようになりました。ビジネスシーンの拡大が起こったわけであり、「駐車サービス」の勢力図は一変しつつあります。

駐車場シェアサービスのデメリット

どんなサービスであっても、デメリットは何かしらあります。駐車場サービスのデメリットをご紹介します。

1.極端に停めにくい場合がある

屋外タイプならあまりないのですが、屋内のそれも家の駐車スペースを貸し出しているような場合だと、極端に停めにくい場合があります。akippaなどだと登録時に審査があるのであまり心配する必要はありませんが、たとえば別の利用者が車を詰めずにいた場合、駐車そのものが不可能になる可能性もあります。

ただし、車の停め方に手順を要するような立地の場合、事前にサイト内で停め方の解説が掲載されていますので、それほど心配する必要はないでしょう。

2.見つけにくい

近くに目立つ目印があれば良いのですが、基本的に駐車スペースは目立たないところにあります。最近はサービスの名を入れたカラーコーンなどで目印をつくる貸し出し主も増えましたが、シェアサービスを始めていることを近所の方に知られたくない方も多いので、派手な看板などはほぼありません。

基本的にはナビと画像を頼りに探し当てるわけですが、住所そのものが新しい場合や、登録情報と実際の位置が少しずれている場合、周辺に似た建物が多数ある場合などはそれなりに苦労するでしょう。

3.キャンセルが気軽にできない

なにも予定を決めずに、当日行き先を決めながらの車旅が好きな人は少なくありません。もちろん観光地などでは、それでは停めるところが見つかりませんが、中心地から離れれば、車を停める場所がまったく見つからないということはなくなるでしょう。

駐車場シェアサービスは、人気の駐車場などだと、数日前数週間前から予約をする必要があります。このようにかなり事前の予約が必要になる場合は、当日のルートが決められてしまうことになるため、気ままな旅行やドライブには不向きになります。

4.安くない場合がある

「デメリット」ではないかも知れませんが、駐車場シェアサービスであっても、付近の駐車料金となんら変わらない料金設定の場合があります。

よくあるのが、都心部からほど近い場所に一軒家を構えている場合や、通常のパーキングがネットからの予約も受け付けている場合です。また、最初は格安に設定していたとしても、予約が数週間先までずっと埋まるような状態を目の当たりにすれば、多少回転率が下がろうと、貸し出し料金を上げて少しでも多く利鞘を得ようとするでしょう。

少し面倒かもしれませんが、駐車場シェアサービスをご利用の際は、同時に近辺の駐車料金の相場も見ておきましょう。

まとめ

旅行やドライブの際に駐車場を探すことには、かなりの労力がかかります。駐車場シェアサービスは、事前の駐車場予約が可能なため、当日の駐車場探しにかかる手間が低減できるありがたいサービスです。akippaや軒先パーキングなどといったサービスが日本の駐車場シェアサービスの先頭に立っていて、今後他業種からの参入も増えるであろう発展途上のサービスなので、今後の動向はかなり注目です。

駐車場シェアサービスをご利用の際は、今回挙げたメリットとデメリットを是非ご参考ください。