平成最後の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に、ボルボのXC40が選ばれ、去年に引き続き2年連続で海外の自動車が大賞を受賞したことは記憶に新しいですね。
2016年には、「世界カー・オブ・ザ・イヤー」と「世界カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」をマツダのロードスターが同時受賞し、大いに自動車ファンを沸かせたイベントとなりました。

日本のカー・オブ・ザ・イヤーと世界のカー・オブ・ザ・イヤー(ワールド・カー・アワード)。
これって何か相互関係はあるの?と思ってしまいますよね。
そこで今回は、日本と世界のカー・オブ・ザ・イヤーに焦点を当てて掘り下げていきたいと思います。

日本カー・オブ・ザ・イヤーとは?

雑誌などを含む37の媒体から成る実行委員会により運営されています。
1980年にスタートし、今年でもうすぐ40年を迎えようとしている、言わば自動車業界の祭典です。
60名を上限とする選考委員の投票により選ばれ、前年の11月から当年の10月までに発表・販売された乗用車からノミネートされ、上位10車になったところで投票により順位をつけていきます。

それぞれの選考委員は25点を保持しており、その委員にとっての1位には持ち点から10点を投票、残りの15点を2位以下と思う4車種に振り分けて投票していきます。
60名が1位をつけると最高得点600点で大賞となるしくみです。
実際は票がバラつくわけですが、選考委員にとっての1位票ばかりを集めなくても平均的に評価の高い車が大賞に選ばれる傾向にあります。

選考基準は、その年に目ざましい発展をした、あるいは爆発的にヒットした、将来性のあるコンセプト、優れたデザイン、地球環境への配慮、乗る人への安全性、品質とコストパフォーマンスなどの観点が重視されます。

2018年に大賞を受賞したボルボのXC40は、性能の良さに加えてSUV指向の強い今の日本人消費者に、適度で快適なカーライフを提案できる機能性が高く評価され選出されました。
2位トヨタ/カローラスポーツ、3位フォルクスワーゲン/ポロ、4位トヨタ/クラウン、5位マツダ/CX-8、6位スズキ/ジムニー、7位アルファロメオ/ステルヴィオ、8位BMW/X2、9位ホンダ/クラリティPHEVと続いています。(スバル/フォレスターも上位10車に入っていましたが、選出後辞退されたことにより2018年は以上の9台が10ベストカーということになっています。)

※日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞に海外の車が選ばれた年は、例年の「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」は選出されません。

世界カー・オブ・ザ・イヤーとは?

世界23か国から合計82名の国際的な自動車ジャーナリストにより選出されます。
日本のカー・オブ・ザ・イヤーと違うのは、その年に世界的な市場で売り出される「新車」にスポットを当てた賞で、その年の1月1日時点で「2つ以上の大陸をまたがる5か国以上の国で販売されていること」が絶対条件となります。

日本のカー・オブ・ザ・イヤーよりも比較的歴史の新しい自動車賞で、2004年に発足されました。
受賞した車は毎年ニューヨークで開催される国際オートショーにて発表されるのが恒例となっています。

選考基準はその年に発表・発売された新車であることの他に、そのブランド独自の技術やこだわりのデザインが息づいている、世界的に環境性能について配慮されている、世界レベルで愛される存在となり得るなど、グローバルな見解をもとに選出されます。

2005年から現在までに、

2017年 ジャガー/F-PACE
2016年 マツダ/ロードスター、
2015年 メルセデスベンツ/Cクラス
2014年 アウディ/A3、
2013年 フォルクスワーゲン/ゴルフVII
2011年 日産/リーフ
2010年 フォルクスワーゲン/ポロ
2009年 マツダ/デミオ、
2007年 レクサス/LS460
2006年 BMW/3シリーズ
2005年 アウディ/A6

が大賞に輝いています。

2019年の世界カー・オブ・ザ・イヤー候補には日本からどんな車が入っている?

日本からは、

ホンダ/クラリティ・プラグイン・ハイブリッド、

日産/アルティマ、日産/キックス、

スバル/フォレスター、スズキ/ジムニー、

トヨタ/アヴァロン、トヨタ/カローラ、トヨタ/RAV4、

などが名を連ねています。

中にはまだ販売されていない車種もありますが、今年はどんな車がランクインするのか4月のモーターショーが楽しみですね。

まとめ

日本カー・オブ・ザ・イヤーと世界カー・オブ・ザ・イヤーの実行委員会は全くの別物であり、選考基準も独自の視点があることがわかりました。
しかし共通して言えるのは、「モノづくり」に真摯に向き合う数多くの自動車産業従事者にとって、夢と意義のある大切なイベントなのだということです。
それは生産台数や売り上げだけでは語れない、長年の改良に対する思いや、未来の自動車に夢を繋ぐ場所として、これからも多くの意義を持ち続ける場となるでしょう。

さて今年のカー・オブ・ザ・イヤーにはどんな車が選ばれるのでしょうか?
みなさんも予想しながら楽しんでみてはいかがでしょうか?