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廃車と「鉄のリサイクル」について…鉄はどう再利用されるの

車と未来

もう乗れなくなったり、古くなって中古車両としての需要のない車は廃車され、解体される事でリサイクルされます。今回は廃車と、リサイクルされた素材の再利用方法を解説します。

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車は、再利用可能な資源の塊

緑と車

自動車に限らず、機械はいずれ使えなくなってしまいます。走行不可能になった自動車のほとんどは、登録を抹消され解体されます。廃車・解体され、自動車は最終的にバラバラに分解された後、粉砕されてスクラップになります。しかし、もう乗れなくなった車であっても、タダの巨大な「ごみ」ではなく、リサイクル可能な資源の塊なのです。「使えなくなったからゴミとして処分してしまおう」という姿勢は、資源が有限であることを忘れています。

車とリユース

自動車の場合、部品がそのまま中古パーツとして再利用されることも少なくありません。これを「リユース」といいます。

特に日本車の中古部品は、海外から高い人気を誇っています。日本車は、日本という高温多湿な環境での運用を想定しているため、パーツそのものの耐久度や精度が高く、他の国の車よりも、環境適応力が高い傾向にあります。また、基本的に車に限らず物は均等に耐久が減っていくものではなく、「壊れやすい部品」と「壊れにくい部品」に分かれます。例えばタイヤのゴムなどは、地面との摩擦ですり減ったりするので「壊れやすい部品」に分類されます。

ラジエーターなどは、エンジンを冷やすためのパーツとして存在していますが、ラジエーターが使えなくなるよりも先に、エンジンが使えなくなる事の方が多いため、エンジンはもう使い物にならないが、ラジエーターはまだ使えるといったようなケースは良くあります。

車とリサイクル

そのままでは再利用できないパーツも、「資源」として再利用が可能です。金属はもちろん、ガラスも溶かして再び使えます。

素材としてどう再利用されるのか

実際に素材として再利用される場合、何に再利用されるのかを解説します。車の素材は主に「銅・アルミ・ステンレス・鉄」といった金属が大半を占めています。金属に詳しくないような方でも、これら金属の名前は良く知っているでしょう。銅であれば10円玉硬貨や、銅線など。アルミであれば同じく1円玉硬貨やアルミホイルなど。ステンレスは錆びにくく、硬い金属です。ステンレス製フライパンや鍋など、調理器具の素材としても使われています。鉄も例外ではありません。むしろ鉄は人類の生活において水や空気と同じく、必要不可欠な資源であると言えます。

なにせ世界の製鉄量は年間13億トンとされ、そのうち新しく製鉄されるものが8億トンほど、自動車のスクラップなどから再利用される鉄は5億トンもあり、人類の生活に欠かせないからこそ、限られた鉄を再利用して使いまわしているのです。

鉄スクラップについて

鉄のリサイクルについてより詳細に解説していきましょう。

まず、スクラップにも種類があります。同じ鉄のスクラップでも、その由来によって大きく2つに分類されます。既に存在している鉄製品などを解体・スクラップにしたものを「市中スクラップ」と言います。鉄を使った加工で発生した鉄の削りカスや切れ端を「新断スクラップ」と言います。廃車の再利用によって生まれるのは、「市中スクラップ」の方です。

しかし、こういったものには「純度」というものがあり、鉄のスクラップだからといって、100%の鉄というわけではないのです。鉄純度の低いものもあれば、単純に使った鉄鉱石の質による違いもあります。スクラップの元になった部品の大きさ・厚さなどでクラス分けされます。クラス分けは数十種類にも及び、クラスに応じて再利用されているのです。

例えば同じ車の鉄スクラップだとしても、外装部分の薄く柔らかい鉄部品のスクラップと、ネジなどの硬く小さい鉄部品のスクラップでは、再利用方法も異なります。もちろんこれらは改めて精錬され、製品として再加工できるよう再加工されます。

スクラップの精錬と環境汚染

人類による環境汚染。それは、人が火を使い始めた頃から始まったと言っても過言ではありません。

物を燃やすと二酸化炭素が生まれます。多くの物を燃やすとそれだけ二酸化炭素が生まれ、更には燃やすものによっては、毒性のある成分がガスとなって大気に充満し、環境を汚染してしまいます。そして、現代においても金属の精錬やごみ処理は燃やすことによって行われます。

鉄鉱石の製鉄には石炭が用いられ、化石燃料を消費します。これにより、膨大な量の二酸化炭素を排出することになります。しかし、一度精錬済みのスクラップは石炭を用いる必要なく、電気炉という、電気を燃料にした炉で精錬することが可能です。

電気炉は石炭による燃焼炉と比較して、遥かに二酸化炭素の排出量が少なく、同量の鉄を精錬する場合、電気炉と燃焼炉を比較すると、電気炉は燃焼炉の4分の1まで二酸化炭素の排出量を抑えることが可能なのです。

新しく鉄鉱石から新鉄を精錬せず、同量の鉄スクラップを再精錬すれば、資源を節約できます。

まだまだ改善の余地がある廃車リサイクル

廃車のリサイクルは、世界で一丸となり向き合うべき問題です。日本の自動車会社でも、13社が廃車リサイクルのために手を取り合って協力関係を築いています。

現状、廃車の資源再利用率はは車1台に対しておよそ8割程度。残った2割の再利用不可能なスクラップは、シュレッダーダストとして、主には埋立処分場において埋立処理されています。

資源と同様に、土地も有限です。シュレッダーダストとして埋められているのは、再利用不可能なプラスチックなど。これらは土に数年で還るような素材でもなければ、動植物の栄養になるどころか、毒性のある物質です。埋立処分そのものが環境を悪化させる行為であり、段々と埋立処理場の限界も見えてきています。最終的な目標は100%のリサイクルですが、当面は99%リサイクルを目指し、各自動車メーカーもリサイクル研究を進めています。これは自動車界隈に限った話ではなく、身近にあるちょっとした道具やゴミでも、積極的にリサイクルをして、無駄な資源浪費と環境汚染を抑えるように努力するべきでしょう。

まとめ

以上、廃車と鉄のリサイクルなどについて解説しました。

鉄は人類に欠かせない金属であり、科学が発展して様々な合金が生まれた今でも、鉄は最も利用される金属であると言えます。そんな鉄も有限であり、いつかはなくなってしまいます。鉄及び資源の再利用に対する取り組みを、我々も知っておくべきでしょう。

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