マツダが1967年に販売を開始した「コスモスポーツ」は、世界の量産車で初となるロータリーエンジンを搭載した車として注目を集めました。コスモスポーツは、従来のレシプロエンジンより軽量でコンパクトであるにもかかわらず、高出力が得やすいロータリーエンジンのメリットを活かした低く流麗なボディなどの外観も高く支持されました。
2代目モデルには、「コスモAP」という公害対策の名前が付けられました。その名のとおり、世界で最も清浄な排ガス性能と高出力を両立したロータリーエンジン13B型を搭載し、日本車の中で群を抜く速さとクリーンさが特徴でした。
コスモAPは、デビューからわずか3か月後にモーターファン誌の「カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、短期間で高く評価される車となり、高級車であったものの発売から半年弱で累計販売台数が2万台を超えました。
3代目となる「ユーノスコスモ」は13B型よりもさらに軽量でコンパクトな12型2ローターターボを搭載し、ルーチェの姉妹車となりました。
4代目は3ローターターボの20B-REW型を搭載し、豪華な内外装や装備が特徴でした。
多くの人に愛された世界初の2ローター・ロータリーエンジンを搭載したスポーツカー、マツダ・コスモスポーツは、1972年9月に生産終了となりました。