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日本の車検制度は特殊?実は世界で類を見ないほど車検費用の高い国

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自動車を保有するなら絶対に受けなければならない「自動車検査登録制度」

日本において車を所有する場合、「道路運送車両法第4条」によって自動車検査登録制度、通称「車検」に登録する必要があります。もちろん「車検」(通称)制度は日本だけ実施しているというわけではなく、海外においても登録が義務付けられている制度です。しかし、あくまで主に先進国だけが導入している制度のため、車は走ってはいても経済基盤が安定していない発展途上国では、車検制度そのものが存在していなかったりもします。

先進国であってもアメリカは少し特殊で、アメリカの場合「国」自体が車検制度を定めているわけではなく、「州」がそれぞれ独自に車検制度を導入しているという状態です。

日本においては、車検切れの車が走っていた場合には所有者へ車検を受けるように警告し、警告に従わなければ刑事告訴が発生します。この対処方法は、日本だけの特徴ではありません。しかし、同じ車検制度でも国によって違いが出てきます。

例えば車の登録にかかる費用が違う、というのが一例に上がるでしょう。他にも制度自体の内容の差異など、小さな違いというのは探せば見つかります。今回は、日本の車検制度を海外のものと比較しながら、ご紹介したいと思います。

日本の車検制度

車とお金

日本の車検制度には、前述した「小さな差異」よりも決定的な違いが存在します。

「日本は車検が高い」と聞いたことはありませんか?登録にかかる費用(手数料)の事ではありません。手数料を他国と比較しても、欧州では大体一万円以下、お隣の韓国でも3000円程度に対して日本は3000円以下と、むしろ手数料に関しては安い方であるといえるでしょう。では何が高いのか?ずばりそれは「税金」と「保険」です。

日本の車検制度の特殊性「税金が高い」

自動車に税金がかかるというのは、車を購入しようと調べてみたり、実際に車を購入・所有している方であれば、当たり前にもっている知識です。

日本の車検制度では、その自動車に関する税金を車検時に納める必要があります。

その税金とはずばり「自動車重量税」です。

この税金は名前の通り、自動車の重量によって決められた額の税金を納めるという内容の税金で、自動車の種類によって金額が変わる上、さらに重量によっても変動するため、詳細な説明は割愛します。

手数料とは別に、この自動車重量税を納めなければならないというのが日本の車検制度の特徴です。

この自動車重量税は新車購入の際に自動車代としてまとめて支払いますが、車検時にも支払う必要があります。しかも手数料と同じく、車検ごとに支払いの必要があるため初回だけが特別高いというわけでもなく、更新する際の費用を比較しても日本は高い額を支払う必要があるとわかります。これは税金、法律で納めなければならないと定められている義務であり、支払わないということは即ち脱税になります。

さらに、日本の車検が高い理由は税金だけではありません。

車検が高い理由その2「自賠責保険」

自動車重量税と並び、日本の車検時の費用を高くしている要因の一つが「自賠責保険」です。

保険と名のついているものなら自動車保険のようなもの、あるいは自動車保険の事だと考える方も居るかも知れませんが、こちらは税金と同じく、法律で加入が義務付けられている保険であり、一般的な自動車保険とは別の保険です。法律で加入が義務付けられているという、いわゆる「強制保険」の1つである自賠責保険。もちろん加入していない状態で車を走らせることは違法であり、法律で罰せられる事になります。

加入している方でも「加入していればそれでOK」というわけではなく、きっちりと「自賠責保険証明書」を車内に置いておくか、あるいは携帯しておく必要があります。これも違反すると罰せられる事になりますので、注意しましょう。

以下に自賠責保険の内容に関して軽く解説しますが、実はこの保険は「加入者のための保険」ではありません。

誰に適用される「保険」か?

「加入者のための保険ではない」とはどういうことかというと、この保険は「被害者」に対して適用されるのです。

車に限らず、乗り物には切っても切れない関係にある交通事故。基本的に乗り物と生身の人間がぶつかった場合、怪我をさせる確率が高い運転手側の責任がより追求されます。

たとえそれが相手の完全な不注意であったとしても、少なくとも運転手が損害賠償を支払わなくても良いということにはほとんどなりません。

そして車との交通事故が発生してしまえば、お互いが無傷で済むという事自体が奇跡であり、大抵の場合は車にぶつかった・轢かれた人が怪我をしてしまうかもしれませんし、最悪の場合そのまま死亡してしまう事だってあります。

自賠責保険はこの「事故によって相手の身体に損害を与えてしまった場合」にのみ保険金がおりるという保険なのです。障害と死亡、そして後遺障害の3つに分かれており、怪我の場合は120万円、死亡の場合は3,000万円、後遺症があった場合は後遺症の程度によって75万円から最大4,000万円が限度額に設定されています。

自賠責保険は、任意の自動車保険のような自分の損害に対する保険ではありません。最低限事故を起こした際、被害者に対して補償ができるよう、運転手へ責任能力をもたせるため、強制保険として存在しているのでしょう。

この自賠責保険と税金の2つの存在が、車検時に発生する費用を高くしているのです。

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車検費用が高い事は悪いことなのか?

自賠責保険や自動車税に関して解説しながら、日本の車検がなぜ高いのかという事については説明しました。

車検はドライバーにとって不満の種になりがちです。車を所有している以上、定期的に受け直す必要がある車検。その費用は安いに越したことはありませんよね。

しかし、高いことが100%悪いことなのかというと、実際のところ必ずしも悪いことであるとは言えません。車検制度とはその名前の通り「車の点検を行う」事であり、言ってしまえば「車を正常な状態で維持する」という意思を保証するものでもあります。

この車検制度が存在しない国では、車の整備を所有者個人個人に任せている事になります。そして、車というのは時に凶器にもなり得るものです。整備が至っていないがために、事故を起こし、人命を奪う可能性もあります。そうならないための安全性を担保する、という意味合いでは、車検は必要な存在となります。

車検の存在意義

車を運転するためには免許という形で個人の能力を証明し、そして車検制度で車の安全基準を万全にするという決まりができているのです。

日本の車検が高いということは、それだけ車を扱う事に対して厳しくするという事でもあります。

日本の車検は「厳しい運用条件をクリアすれば、車を運用できる」ようになっています。他の国よりも安全に車を運用できているのだと言えるかも知れません。

他にも、日本の場合、車検制度を厳しくせざるを得ない理由として、「道路が狭い」というのも考えられます。日本は知っての通り、小さい国です。国土だけで言えばイギリスの方が小さいものの、日本の場合は「縦に長く山が多い」という国土の都合上、必然的に開拓できる場所が少なくなります。

北海道は比較的広いものの、本州はそうもいきません。

道路の広さを比較してみればわかりますが、基本的に日本の道路は狭いため、いわゆる「アメ車」などに代表される大きい車は運行が難しく、ほとんど普及していません。そして道路が狭いということは、それだけ「生身の人が通る道に近い」という事でもあります。

道路が狭く、事故が起きやすいからこそ、日本の車検制度は厳しく、強制保険の自賠責保険が義務付けられているのではないか、と言われています。

まとめ

以上、日本の車検費用が高い理由について国土の特殊性などを交えながら解説いたしました。

車検制度と交通事故は関連する事象ですが、日本と世界を比較した際、アメリカなどは「車同士の事故」が多いのに対し、日本や韓国は「歩行者との事故」が多いというデータがあります。歩行者事故は車検では防げませんが、狭い国土では周りに迷惑を掛けないためにもより厳密な車の点検が必要なことは確かです。

10万円以上の差が付くこともあります