車を購入するにあたり、警察に必ず提出しなければならないのが「自動車保管場所証明書」=「車庫証明書」です。
つまり、「車の住民票」と考えていただくと分かりやすいかと思います。では、なぜ「車庫証明書」が必要となるのでしょう?

それは法律によって定められているからです。

車の所有者の増加に伴い路上駐車が社会問題となりました。道路の適正使用のために、自動車の所有者に車の保管場所を確保する義務を課したのです。もし、車庫証明申請をしていない車を自宅に停めていたら、「駐車違反」になるかもしれないほど、重要な手続きです。

車を購入した時はディーラーが申請してくれることが多いのですが、実は自分でも取得できる手続きの内容です。例えば、「車を購入した後に引っ越しすることになった」、「契約駐車場が事情により移転することになった」など、急に車庫証明を申請しなければならない場合もあります。
そのような場合に備えて、「車庫証明を自分で申請する方法」をおさらいしておきましょう。

車庫証明にまつわる確認事項

車庫証明ってどんな場所で取得しても良いの?

拠点となる場所から一定の距離内でなければなりません

車庫証明は使用する拠点から2㎞以内でなければならないという制約があります。
そもそも「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の制定当時は、使用する拠点から500m以内だったのです。つまりお金があっても、自宅近くに車庫や駐車場を持てない人は車の購入はできませんでした。そこで自動車業界からの申し入れで、500mから2kmまで拡大されたのです。

2kmといえば大人の足で25分はかかります。直線距離で歩けるとは限りませんから約30分程度と考えられます。
大人の足で30分はかかるとなれば、決して近いとはいえないでしょう。
しかし、都心になればなるほど車庫をして利用できる場所が限られてくるので、自家用車にしても社用車にしても2㎞の条件がネックになることもあるようです。

そんな「駐車場を確保できない…」という車購入希望者の中に『車庫飛ばし』と呼ばれる虚偽申請をする人が出てきました。
例えば、「実家の車庫証明で車を購入し、実際には自宅付近に路上駐車をする」など、当然、法律違反となりますから罰則を受けることになります。

コインパーキング不可、所有者のわからない空き地、道路は論外

いくら停め続けられる費用が捻出できるとしても、コインパーキングで車庫証明は取得できません。なぜなら、車庫証明を受ける条件の一つに

自動車の保有者が自動車の保管場所として使用する権限があること

があるからです。月極駐車場の契約などが必要です。
誰も使っている様子がない空き地、また交通量の少ない道路などは論外です。

出入りがスムーズにでき、全体が収容されるスペースが確保されていなければなりません

自宅のちょっとした庭、エントランス部分、公道との境目など、個人が所有している土地で空いているスペースならどこでも良いと思われていることがあるようですが、

これも法律で、

道路から支障なく出入りができること

自動車の全体を収容できるものであること

が定められています。車庫証明を取得するためには自動車が問題なく出入り可能な条件を満たしていなければなりません。

契約者あるいは持ち主であること

一戸建て住宅であればその土地の所有者、集合住宅であればその所有者との契約と許可がないと車庫として使うことができません

以上の点を踏まえて、車庫証明を取得する場所についてもし不安な点がある時は申請する前に警察署の担当者に相談してみましょう。

申請に必要な書類にはどんなものがある?

申請書類は下記の6種類の書類が必要です。

各都道府県の警察のWEBサイトや警察署で入手できます。

尚、住民票においては市役所や支所などで取得して下さい。

1)自動車保管場所証明申請書
2)自動車保管場所標章交付申請書
3)保管場所の所在地・配置図
4)保管場所使用権原疎明書面
5)保管場所使用承諾証明書
6)使用の本拠の位置を確認できる書類(運転免許証・必要に応じて住民票)

自動車保管場所証明申請書

自動車保管場所証明申請書には都道府県ごとに若干書式や内容は違いますが、
主に以下の事項を記入します。

◆車本体の情報→(車名・型式・車体番号・自動車の大きさなど)
◆自動車の使用の本拠の位置
◆自動車の保管場所の位置
◆保管場所標章番号
◆申請者の住所・氏名・捺印など

保管場所標章交付申請書

自動車保管場所標章とは、車庫証明が受理され保管場所を確保していることを証明するステッカーのことです。

標章には固有の9ケタの標章番号や保管場所、発行元の警察署が表示されており、自動車に貼り付ける義務があります。
つまり、「この車はちゃんと車庫証明を受けていますよ」ということを証明するステッカーを交付してもらうための申請書です。

警察署で用紙を配布してもらえば、自動車保管場所証明申請書と同時に記入できます。

保管場所の所在地・配置図

警察署やWEBサイトで保管場所・配置図を表記する書類を入手できます。

その書類に簡単なマップや図を記載しますが、手書きでもOKですし、地図のコピーやWEB上のマップを印刷して添付してもOKです。手書きでない場合は別紙参照の旨を記載しておきましょう。

大きく「所在図記載欄」と「配置図記載欄」に分かれています。

【所在図記載欄】→自宅と車庫の位置がわかる図

・駅や学校など、目標となるものや付近の道路、自宅と車庫を直線で結んだ距離などを記入します。

【配置図記載欄】

・車庫の配置図を記載します。自宅に車庫がある場合は、敷地と車庫を明示します。
主に車庫の大きさや周辺の道路幅などを記載します。高い車の場合は車庫の高さも必要です。高さ制限のある駐車場は高さも記入します。

保管場所使用権原疎明書面(自認書)

車庫証明に使用したい土地が、本人所有の場合はこちらの書面を用意します。

「自らの土地・建物であることに間違いない」ということを警察署長あてに宣言する書面です。
住所・氏名・電話番号・捺印が必要です。

保管場所使用承諾証明書

自認書とは違い、車庫証明に使用したい土地が本人以外の所有者の場合に必要になる書面です。

◆保管場所の位置(車庫の住所や駐車場の名称)
◆保管場所の使用者の住所氏名
◆使用期間
※共有の場合には、他の共有者全員の住所・氏名を記入の上、押印が必要。

使用の本拠の位置が確認できるもの

本人確認書類のことです。
車庫証明を申請する住所と、本人の住所との距離について確認するものになります。

車庫証明にかかる費用はどのくらい?

自動車保管場所証明申請書に2100円、保管場所標章交付申請書に500円が必要となります。
いずれも印紙を購入して支払います。

※都道府県市区町村によって、わずかに手数料が違う場合があります。管轄の警察署にてご確認ください。

まとめ

では、最後に自分で車庫証明を取得までの書類と費用についてまとめましょう。

【申請時に持参するもの】

1)申請書類一式
2)運転免許証など、自動車の使用者の住所が確認できる書類
3)手数料…2,000円〜2,200円(都道府県により異なる)

【受取時に持参するもの】

1)納入通知書兼領収書
2)手数料…500円〜600円(都道府県により異なる)

今回は、車庫証明を自分で取得する方法についてのお話でした。

申請手数料と保管場所標章代を合わせても、ディーラーや行政書士に依頼するよりは格安でできますので、自分で取得する方法を知っておいて損はないでしょう。
ただし、注意点があります。まず、戸建てに住んでいる場合と、分譲住宅などの共有の土地で車庫証明を取得する場合では、若干書式が異なりますので注意が必要です。

また、警察に提出する際に気を付けたいのが、申請した当日に車庫証明書を交付してもらえるわけではないという点です。
そして車の購入と買い替えのタイミング次第では、以前に乗っていた車が同じ駐車場に停まっているケースも考えられますので、申請する時には記入漏れがないように気を付けたいですね。

車庫証明は自分でも取得できるものですが、新車を購入する際には先に車庫証明を取っておかないといけないケースも発生することがあります。自分で車庫証明を取りたい時は先にディーラーに申し出ておいた方が後々スムーズに手続きできるでしょう。