この数年で車の性能とロック機能が目ざましく向上したことにより、盗難車の総数自体は減少傾向にあるとはいえ、現在でも日々車の盗難事件は後を絶ちません。
車やバイクの所有者にとって一番遭遇したくない盗難は、どのように行われ、その後どのように利用されているのでしょうか?
また、どうすれば盗難を防ぐことに繋がるのかも一緒に考えておきたいところです。

盗難に遭いやすい?遭いにくい?その違いはどこにある?

車に乗っている人であれば「盗難車ワーストランキング」なるものにどのような車種が名を連ねているかはなんとなく知っていますが、どうして盗難に遭いやすい車と遭いにくい車がこんなにもくっきり分かれるのか不思議に思いますよね。

年によってプリウス、ハイエース、ランドクルーザーが順位を入れ替わりながら盗難車の上位に入り続けているのはなぜでしょうか。
そこには、トヨタ車であるということ以外にもそれぞれの車種ごとに理由があるようです。

プリウス

社用にも自家用にも、圧倒的な燃費の良さと不動の人気を誇るプリウス。
その室内空間の使い勝手の良さと、無駄のないデザインは、日本人のみならず世界各国で愛用者が増えています。
ベストセラーである一方、販売台数と所有者に比例するように修理件数もまた多くなるもので、ハイブリッドシステムに関連するバッテリーや動力パーツの交換となると、ガソリン車よりも修理費がかさむのがハイブリッド車の特徴です。

盗まれた後の使いみちとして、その修理費を抑えるために盗難車のパーツの需要が高さが、プリウスが盗難に遭いやすい理由と言えます。

プロの窃盗集団が、エンジンの作動無しに車を動かせる「EVドライブモード」を悪用して静かに窃盗をするのもプリウスが盗難に遭う特徴の一つで、同じ手法を応用しやすいために同じ車種が狙われるようになった背景も大きく関係しています。

ハイエース

ヴェルファイア、アルファード、ヴォクシーなどのファミリーカーを抑えて盗難件数上位に入るのが、ワンボックスカーの元祖とも言えるハイエース。
クッション性や乗り心地よりも武骨なスタイルに定評があり、日本では社用のイメージが強くありながらまだまだ世界各国で取引されている人気の車種です。

プリウスに比べると登録台数は下回るのに、盗難台数としては変わらない点を見ると、被害に遭いやすいという意味ではプリウスを上回ると言えるのではないでしょうか。

盗難後の使いみちとしては、一度解体されて輸出された先で再度組み立てて販売されることが多く、パーツよりも車体そのものに人気が高いのが特徴的です。

イモビライザーの導入により盗難件数が一時的に減少したものの、イモビライザーカッターを使い近くにキーがない状態でも盗難の被害に遭うケースもあるため、今後購入を検討する場合は厳重な注意が必要です。

ランドクルーザー

どんな道でも対応できるオフロード四輪駆動車としての足回りの強さと、戦後の陸上自衛隊でも導入された強固な車体で、世界的に人気が落ちないのがランドクルーザーです。

その性能から中東や東南アジアの富裕層にも人気があり、新しいものは高値で取引され、年式の古いものでもそのパーツに価値があり、特にイモビライザー装着前の車両のパーツを狙って盗難が後を絶ちません。

あまりにも悪質な盗難被害が多いため、自動車保険のクラスは一番高く設定されており、保険料も最初からハイクラスの車となっています。

国内外からオーダーを受けたプロの窃盗集団が盗難をしているケースが多いのも、ランドクルーザーが盗難に遭いやすい特徴の一つと言えます。

盗難車の行方とのタイプ別注意事項

① 車体丸ごと取引される

盗難に遭いやすい車種の多くが、プロの窃盗集団による犯罪による転売目的の盗難です。
複数人で計画的に犯行を行うため、所有者の生活パターンや駐車場の環境などを下調べされていることもあり、長期で自宅を不在にする時などは防犯対策を何重にも考えておきましょう。

② パーツ別に取引される

プロの窃盗集団が犯行を行うこともありますが、素人がインターネットなどで個人ユーザー向けにパーツを転売する目的で車上荒らしをしているケースも多いです。
オークションサイトなどを利用して購入を検討する際は、あまりにも極端に価格が安いものや出品者がその商品の出自を明らかにしていないものは、怪しい段階で通報する、購入を見送るなど慎重に判断するに越したことはありません。

③ 衝動的に乗り逃げされる

車体やパーツの転売目的よりも、キーが刺さったままなのを見て衝動的に盗難に遭うケースもあります。
人通りの少ない道や、利用者が少なくなる時間帯でのコンビニなど、身近に起こりうる盗難ですので、短時間でも必ずロックをしてから離れるようにしましょう。
ドライブレコーダーを搭載するのも、予防策として有効です。

まとめ

盗難車の上位がトヨタ車で占められている点から見ても、盗難の被害に遭いやすい車種が世界的な流通量に比例し、そのため必然的に修理に出される機会が多く、多少年式の古い車でもパーツに使い道があるということがわかりました。
イモビライザーの導入により盗難件数は一時的に減少したものの、その裏をついて盗難をするプロ集団がいるのもまた事実です。
短時間だから…自宅の車庫だから…と油断せずに、「ブレーキペダルロック」の導入や「イモビライザーカッターガード」など、防犯対策をできることから始めてみましょう。