無断投棄からリサイクルへ

以前は廃資源の無断投棄が当たり前でしたが、1991年に施工された「再生資源の利用の促進に関する法律」を皮切りに、リサイクル・資源の再利用事業は国の支援を受けられるようになりました。

時代の変化にともない、補助金制度のアップデートも繰り返され、シュレッダーダストやフロン類の処分は、特定の手続きを経ることになりました。

廃車はそもそも国からの認可事業であり、施設なども自治体の許可が下りなければ作れません。しかし、逆に言えば「マニュアル」のようなものが整備されているとも言えます。解体マニュアルも、公益財団法人 自動車リサイクル促進センターより公開されています。

では、廃車無料引き取り業者は、十分な利益を上げられているのでしょうか?その辺りを皆さんにご紹介します。

解体業者の推移

自動車(廃車予定の車)を引き取る人と、車を解体する業者はイコールではありませんが、業界動向を判断するものとして、自動車解体業者の規模の推移をご紹介します。

「自動車リサイクル法」が施行されたのは、2002年です。その時点では解体事業者として約6200施設が登録されていましたが、、2011年には約5800事業所まで減っています。

このデータだけを見ると、解体業の需要が減っていると判断してしまいそうですが、年間の廃車台数(解体肯定引取台数)は、450万台から500万台と安定しております。

このことから、廃業などによって自動車解体施設が廃止されて、解体施設の集約化が進んでいる現状を把握できます。

どうやって無料引き取りで利益を上げているのか?

非営利事業でない限り、どこかで利益は発生しなければ、事業は必ず立ち行かなくなります。なぜ、「廃車の無料引き取り」が可能なのでしょうか?

部品リユース

廃車は部品ごとに解体事業によって解体され、パーツが細かに区切られます。

車は年代ごとに使用パーツは違いますが、モデルチェンジ後であっても部品が流用できることも多く、中古パーツとしてカーショップに並んだりします。

また、同じモデルで同じ年式の中古車であっても、各車ごとに状態は違います。走行距離や乗り方、また、車を買い換えるタイミングも人によって様々です。

いわゆる「旧車乗り」と言われている人たちは、20年、30年以上前の車を乗り続けていますが、このような人たちは中古ショップやオークションで、該当する車のパーツを買い、修理しながら乗り続けています。

このように部品取りしたパーツをリユースし販売することで収益を上げることが可能になっています。

また、中古部品業者ではなく、自動車メーカーに引き取られるようになっている部品もあり、代表的なものではエアバッグやフロン類です。

リサイクル

シュレッダーダストなど、再資源化が難しい部品を除き、自動車は部品の99%以上がなんらかの形で再利用されています。

2019年現在、廃車の再利用率は99%以上と言われていますから、再利用率の高さがわかりますよね。

解体施設でリサイクルを行っているケースは少なく、多くの場合、車の部品は個別に取り出され、さらに細かく破砕されます。その後に、鉄資源として再利用されるため、再生工場へと引き渡されます。

リサイクルにおいてはそのままでは再利用することができない部品を元の金属資源に戻し取り扱うことで収益化をしています。

中古車として再販されることはあるのか?

ここ数年で増えてきたのが、廃車予定の車が海外へと輸出されるケースです。

日本ではおよそ10年から15年ほどで、車の乗り換えを検討される方がほとんどですが、海外では日本では車検に通りそうにない車などでも、修理を重ねながら走っています。
また、発展途上国などでは車検がない国も多くあるため、日本では走行できない車であっても輸出販売することも可能です。

ただし、廃車にすると引き取ったのに、中古車として販売することは法律違反ですので、めったにあることではありません。

廃車買取業への、新規参入の難易度

解体業

新興国の車需要などの影響で、日本の中古車市場は盛り返しましたが、廃車の解体業者は数としては減ってきています。

これは、廃車解体施設には先行投資が必要なこと、また、自治体から認可を得る難易度も高いこと、施設周辺の環境汚染などに気をつけなければいけないことなどが影響しています。

国からの支援もあり、まだまだ無くなることはないであろう廃車の引き取りと解体ですが、新規参入の壁は高いと言えるでしょう。

引取業

廃車予定の車であっても、実際に廃車申請を送らない限り、国からは「中古車」として判断されます。そして中古車を買い取ったり、解体するためには「古物商営業許可」が必要です。

こちらは、解体業と違い施設が必要なわけではなはないのですが、自動車は取り扱いに注意が必要な部品も多く、不法投棄なども問題視された過去があるため、中古車を扱うために必要な特別な資格「自動車引取業」の取得難易度は、古物商の許可よりも少し高めです。また、新たに解体業者や輸出業者などと関係を結ぶ必要もあるため、開業難易度は、依然として高めと言えるでしょう。

まとめ

廃車引取・中古車市場は巨大ですが、かなりシステム化されており、新規参入が難しい状態です。

しかし、チャンスを掴めることもあるでしょうし、また時代の流れが大きく変わる可能性はありますので、成功の可能性はもちろんあります。